作成日:
2026年6月26日
更新日:
2026年6月30日

仕事のことを考えると動悸がする…原因や病気、受診すべき診療科とは?

仕事のことを考えると動悸がする…自分は弱いのかな……?

頭を抱える男性

「仕事のことを考えるだけで動悸がする」
「出勤前になると胸がドキドキして苦しい」
「これは甘え?それともストレス?」

このような悩みを抱えていませんか。

仕事に対する強い不安やストレスが続くと自律神経が乱れ、動悸や息苦しさなど身体症状が現れることがあります。とくに責任感が強い人や我慢してしまう人ほど、これらの症状が出やすいようです。

この記事では「仕事のことを考えると動悸がする」と感じる原因や考えられる病気、受診すべき診療科や相談できる公的窓口まで詳しく解説します。

▼この記事の3つのポイント

  • 仕事のことを考えると動悸がするのは弱さではなく、身体を守るための自然な反応
  • 仕事のことを考えると動悸がする場合、考えられる病気は4つある
  • 一度立ち止まって、働き方を見直すことも大切

仕事のことを考えると動悸がするのはなぜ?

動機が起こるしくみ

仕事のことを思い浮かべたときに動悸がするのは、強いストレスや不安による自律神経の乱れが原因の可能性があります。 

動悸に伴って冷や汗や手足の震え、腹痛などの症状が出現する場合もあるようです。

動悸は“ストレスに反応する身体のしくみ”によって生じる

仕事に対して不安や緊張などのストレスを感じると、身体はストレスから身を守ろうとして交感神経が活発になります。その結果、アドレナリンが分泌されて心拍数が増加することで動悸を感じるわけです。

過去の仕事や転職の失敗経験と重なり「また繰り返したらどうしよう」と予期不安から動悸を生じることもあります。

特に、仕事のことを考えたときや不安・焦りを感じたときに出やすく、休日や安心できる場所では落ち着くのが、ストレスなど心の問題が原因である動悸の特徴です。

一方で胸痛・浮腫・失神などを伴う場合は、心臓など身体の病気が隠れている可能性があります。

自分が弱いから動悸が出るわけではない

仕事のことを考えると動悸がするのは、決して「心が弱いから」ではありません。

責任感が強い人や周囲に気を配れる人、真面目に頑張り続ける人ほど、無意識にストレスを抱え込みやすい傾向にあります。

実際のところ限界まで頑張っている人ほど、ある日突然動悸などの症状として現れることが多いようです。動悸は、頑張りすぎている心と身体からのSOSサインです。

動悸が出やすい場面の共通点を見つけよう

頭を抱える男女

動悸は強いストレスを感じる場面で起こりやすい傾向です。出勤前や月曜の朝、日曜日の夜、一人になったとき、苦手な業務の前、特定の人と関わる直前、仕事のことを考えたときなどが挙げられます。

例えばこんな経験はありませんか?

  • 会社に近づくと急に胸が苦しくなる 
  • 上司からの電話の音だけで動悸がする  
  • 会議やプレゼンテーションの前になると息苦しくなる

どんな場面で症状が出るのかを振り返ることが、動悸の原因を見つける第一歩です。 

仕事について考えると動悸が生じる可能性のある病気

仕事を考えると動機がするとき、考えられる4つの病気

仕事のことを考えると動悸がする場合、可能性のある病気は4つあります。

いずれの病気も適切な治療を受けることで症状の軽減が見込めますので、決して自己判断はせず専門家に相談・受診してください。

適応障害|特定のストレスによる動悸

適応障害とは環境の変化やストレスにうまく対応できず、心や身体に不調が現れてしまう病気です。 

仕事が原因となっている適応障害の場合、出勤前や業務中に動悸・吐き気・不安感が強くなり、休日には症状が軽くなります。我慢を続けるほど悪化しやすいため、早めの対処が大切です。 

あわせて読みたい ▼ 適応障害について

パニック障害|予期不安による動悸

パニック障害では突然の動悸や息苦しさ、恐怖、不安を強く感じるパニック発作が起こります。 

再び発作が起こるかもしれないという予期不安から、仕事や通勤を考えただけで動悸が出たり症状への不安がさらに症状を強めたりするようです。 

あわせて読みたい ▼ パニック障害について

うつ病|気分の落ち込みとあわせて出る動悸

仕事のストレスが続いてうつ病になると「朝になると動悸がして起き上がれない」「仕事のことを考えるだけで胸が苦しくなる」といった症状を伴う場合があります。

うつ病といえば「気分が落ち込む」イメージが強いようですが、実際には動悸や不眠、食欲低下など身体症状として現れることも少なくありません。

以前は楽しめていたことに興味が持てない、何をするにも気力が湧かないといった状態が続いている場合は、うつ病の可能性も考えられます。

自律神経失調症|自律神経の乱れから生じる動悸

自律神経失調症とはストレスによって交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまい、さまざまな症状が出現する病気です。

交感神経が過剰に働くことで動悸や冷や汗、めまい、不眠、疲労感といったさまざまな症状が現れるのが特徴です。

休んでも疲れが取れない場合は、心身の負担が蓄積して自律神経失調症を発症している可能性があります。

あわせて読みたい ▼ 自律神経失調症について

心身の不調が続く場合は早めの受診を!診療科の選び方

聴診器

動悸に加えて不眠や食欲低下、腹痛、下痢、気分の落ち込み、仕事に行けないなどが続く場合は、早めの受診を検討しましょう。

精神科では不安や抑うつなど「心の症状」を中心に扱う一方、心療内科では、ストレスによって起こる動悸や胃痛、不眠など「身体に現れた不調」を診療します。 

仕事のストレスによる動悸なら心療内科の方が相談しやすいのですが、精神科と心療内科を併設している医療機関なら、症状に合わせて対応してもらえるはずです。 

また、動悸で内科や循環器科を受診したものの何も異常がない場合は、心の問題が原因かもしれません。その場合も、一度精神科や心療内科を受診してみてください。

医療機関以外の相談先はある?

悩む女性
出典:photoAC

「精神科や心療内科に行くほどではない」「まずは気軽に相談したい」と思う人も多いでしょう。医療機関以外で、仕事に関するストレスや身体の不調を抱えた際に相談できる場所を3つ紹介します。

職場の産業医・産業保健師

会社に産業医や産業保健師がいる場合は、 業務中に相談することも可能です。

勤務環境や業務量の調整について助言を受けられるほか、必要に応じて上司との橋渡しなどもしてもらえます。

職場の状況を踏まえて対応してもらえるため、比較的即効性のあるサポートを受けやすい点がメリットです。 

自治体の精神保健福祉センター

精神保健福祉センターは、医師や公認心理士などの専門家が心の不調やストレスに関する相談に乗ってくれる公的機関です。

本人だけでなく家族からの相談にも対応しており、必要に応じて医療機関や支援窓口を案内してもらえます。

無料で利用できることが多く「病院に行くほどか迷う」段階でも相談可能です。 

厚生労働省「こころの耳」などの公的相談窓口

厚生労働省の「こころの耳」は、働く人のメンタルヘルス支援を目的とした相談窓口です。

相談方法は電話・LINEチャット・メールの3種類あり、自宅にいながら気軽に利用できます。

「誰に相談すればいいかわからない」「まずは匿名で話したい」場合にも活用しやすいサービスです。 

ホームページにはストレスチェックやセルフケア情報なども載っているため、一度チェックしてみると良いでしょう。

参考:こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト 

動悸が続くときに考えたい、働き方の見直し方

考える男性
出典:photoAC

仕事を考えるだけで強い動悸や不調が続き、日常生活や出勤に支障が出ている場合は、休職や転職を検討すべきサインです。 無理に働き続けて心身が限界を迎える前に、自分を守る選択を優先しましょう。 

休職など回復に専念する時間を確保する

強い動悸や不調が続いているときは、休職などで回復に専念する時間を確保することも大切です。長い人生の中では「一度立ち止まって休むこと」が必要な時期もあります。

休職中は、傷病手当金などの制度を利用できる場合もあり、経済的不安を軽減しながら治療や休養に集中できます。一人で抱え込まず、利用できる支援を活用しましょう。 

自分の特性に合う職場を探す

人間関係や業務量、職場の雰囲気など自分の特性に合う職場に変えることで、動悸などの不調が改善するケースもあります。 

うつ病や適応障害などの診断を受けた場合は、障害者雇用を利用することで残業や業務量の配慮や通院のための勤務調整などを受けながら働くことも可能です。

また、就労移行支援では仕事探しのサポートだけでなく、生活リズムの改善やストレス対処の練習などのサポートも受けられます。

「今までと同じ働き方」にこだわらず、自分に合う環境を探すことも大切な選択肢です。

あわせて読みたい ▼ 適応障害からの転職!再就職を成功させるコツ 

動悸は「立ち止まっていい」という身体からのサイン

遠くを見る女性

仕事のことを考えるだけで動悸がするのは、心や身体に大きな負担がかかっているサインです。

我慢や根性、責任感だけで乗り切ろうとすると、不調が悪化してしまうこともあります。まずは「かなり頑張り続けてきたんだ」と、自分の状態を認めることが大切です。

必要に応じて医療機関への受診や相談窓口の利用、休職や働き方の見直しも検討しながら、自分を守る選択を優先しましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の治療法や診断を推奨するものではありません。症状にお悩みの方は、必ず医師などの専門機関にご相談ください。

[ライター]Shimizu(保健師)

保健師 / ケアマネジャー資格保有。急性期病院に6年間従事し、小児から老年期まで幅広い急性期ケアを経験。その後居宅介護支援施設へ転職し、自宅で過ごす様々な医療ケアが必要な方を支援。その経験を活かし、小児〜老年期、介護ケアなど幅広い記事を執筆しています。

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