適応障害からの転職|自分に合う職場を見つけて再就職を成功させるコツ
▼この記事の3つのポイント
- 適応障害は、環境を変化すれば回復する可能性がある
- ストレスの原因を見定め、安心して働ける条件を見つけよう
- 主治医とも相談しつつ、体調の安定を優先しながら行動しよう
適応障害で仕事を辞めてしまった…同じことを繰り返さないか不安…

「適応障害」による退職は心に大きな動揺を与えます。「もう働けないかもしれない」「新しい職場でもまた迷惑をかけてしまうかも」など、一度悩み始めたら止まらなくなってしまう人も多いのではないでしょうか。
今回は適応障害に悩む人のために、転職や復職に関する知識や自分に合った仕事を探すヒントなどをご紹介します。適応障害を発症した理由を掘り下げつつ自分が心安らかに働ける条件を見つけ、安心感のある就労につなげていきましょう。
適応障害は環境を変えると回復につながる可能性がある

結論からいうと、適応障害は環境を変えることで回復につながる可能性があります。たとえば人間関係で悩んでいる人は、原因となるコミュニティから距離を置くことで、心身の状態も快方に向かうケースが多いものです。
そもそも適応障害とは「ストレスが原因でさまざまな心身の症状が起こる病気」です。ストレスの原因から離れれば症状が和らぐのは、自然な変化といえるでしょう。
とはいえ急激なストレスの変化は、さらなるストレスの原因になることも。症状を和らげるためには「専門家によるサポート」「ストレスの原因の深掘り」「原因との適切な距離の取り方」が同時に求められます。
復職か転職か|判断に迷ったときに考えたいこと

ここでは、適応障害を患っている人が「復職と転職のどちらを選ぶか」を迷った際に、考えたいポイントについてご紹介します。キャリアの選び方に正解はありません。自身の状態や環境を振り返りながら、無理のない選択につなげましょう。
復職|「ストレス要因が解消される見込みがある」場合
適応障害において、ストレス要因が解消される見込みがある場合は、元々在籍している会社に復職する選択肢が挙げられます。たとえば部署内の人間関係がストレスの原因である場合、別の部署に異動することで症状が快方に向かう可能性があるでしょう。
何より、ゼロから新しく転職活動を始めるよりも、休養後に現在の会社で部署を異動させてもらうほうが、時間的にも体力的にもスムーズです。ただしストレスの原因が仕事や会社自体にある場合は、慎重な選択が求められます。
復職後はフルタイムに戻るのではなく、リワークや時短業務を活用するのも一つの手段です。復職の際は以前と同じように頑張ろうとするのではなく、定期的に体調を振り返りながら調整する姿勢が重要です。
転職|「職場の組織風土や考え方」が原因だった場合
職場の組織風土や企業文化、考え方などが原因でストレスを感じている場合は、求職や部署異動だけでは対応が難しいでしょう。また部署に問題がある場合でも、部署異動を受け入れてもらえないケースでは転職の選択肢が挙げられます。
いわゆる「自分の力ではどうにもできないケース」では、転職による環境の変化が求められます。まずは「自分に合わなかった点」を言葉で整理しつつ、次の職場で重視したい条件について考えていきましょう。
転職活動中は求人票だけではなく、口コミや面接時の雰囲気からも組織文化を見極める姿勢が重要です。また体調の安定が最優先であるため、無理に短時間で決めないように努めましょう。
急がず、回復を優先しながら情報収集から始めるのが大切
退職や転職は決して逃げではありません。自分がより自分らしく輝ける場所を探すための、ポジティブな選択肢です。再就労を急ぐあまり、以前と同じ悩みを抱えてしまっては本末転倒です。
心や体が疲れたままでは冷静な判断力や思考力を維持できず、視野も狭まってしまいます。生活やキャリアなど不安な点も多いかとは思いますが、まずは「回復を優先しながら情報収集すること」を心がけましょう。
適応障害は環境由来の疾患です。だからこそ、自分に合う環境をゆっくり見つけることで心身の状態を安定させつつ、自分らしい就労やキャリアの実現に近づきます。
転職活動を始める前に取り組みたいポイント

ここでは、適応障害に悩む人が転職活動を始める前に、取り組みたいポイントについてご紹介します。長期的な就労のためには準備が重要です。目先の就労に焦って飛びつくのではなく、自分に合った働き方についてじっくり考えてから行動に移しましょう。
「何がストレスだったのか」を書き出して整理する
転職活動を始める際は、適応障害の原因となったストレスについて深掘りすることから始めます。症状の悪化を防ぐためには「自分が何にストレスを感じるのか」を知る工程が必要です。
【例】
- パワハラやセクハラなどの人間関係
- 自分に合わない業務内容
- 部署異動や転勤などの環境変化
- 業務量や残業の多さ
- 昼夜逆転や生活習慣の乱れ
ある人にとっては問題のない事柄でも、違う人にとっては体調を大きく崩す原因になることもあります。他人と比べずに心と向き合うことが、再発症や悪化を防ぐ道につながるのです。
「どんな環境なら働きやすいか」を考える
ストレスの原因を明文化した後は、その内容を照らし合わせながら「どんな環境なら働きやすいか」を考えていきましょう。ストレスの原因と同様に、文字にすることで視覚的に理解することが大切です。
【例】
- 週の半分は在宅ワークにしたい
- 短時間でも働ける仕組みが欲しい
- 出張や転勤がない部署がいい
- 物理的な人との関わりを最小限にしたい
- メンタルサポートが充実した企業がいい
「何をしたくないのか」がわかれば「何ならできそうか」「何ならやりたいと思えそうか」も自然とイメージできます。ストレスが少ない環境の条件を定め、当てはまる企業や仕事を厳選していきましょう。
復職・転職活動を始めるタイミングは主治医と相談しながら
実際に復職や転職活動を始めるタイミングは、主治医と相談しつつ決めていきます。主治医はあなた以上に、あなたの状態を冷静に見つめている存在です。自分では「今すぐ働ける!」と思っていても、主治医からすると「一時的な回復に過ぎない」と診断される場合もあります。
最初から焦ってフルタイムで働こうとすると、無理がたたってメンタルダウンにつながることも。一歩ずつ着実に社会復帰するためには、素人による自己判断ではなく、病気や疾患のプロフェッショナルによる専門的な見極めが重要です。
利用できる支援は活用するのがおすすめ
自身の状態によっては、支援制度が使える可能性があります。支援制度の利用は決して恥ずかしいことではありません。経済的にも精神的にも安心して生活することで、仕事探しもよりスムーズになり、無理のない長期的な就労につながります。
- 傷病手当金
- 失業保険
- 自立支援医療制度
- 障害年金
- 障害者手帳
- 労災保険 など
上記以外にも、適応障害が利用できる可能性がある制度は多いものです。主治医や自治体と相談しつつ、積極的に取り入れていきましょう。
転職活動で適応障害のことを伝えるべき?

転職活動中の懸念として「適応障害をオープンにするかどうか」が挙げられます。ここでは、適応障害を伝える際に考えたい要素をご紹介します。オープンとクローズにはそれぞれのメリット・デメリットがあるからこそ、後悔のない選択につなげましょう。
開示するかは自分で選んでいい
前提として、適応障害を開示するかどうかは「どちらでもいい」が正解です。
【開示するメリット例】
- 業務量や勤務時間の配慮を受けやすい
- 入社後のミスマッチを減らしやすい
- 無理せず自分の状態を伝えられる
【開示するデメリット例】
- 選考で不利になる可能性がある
- 偏見を持たれるリスクがある
- 詳細な説明を求められ、負担になる場合がある
【開示しないメリット例】
- 純粋なスキルや経験で選考を判断してもらえる
- 応募できる求人の幅が広がる
- 病歴を説明する精神的負担がない
【開示しないデメリット例】
- 配慮を受けにくい
- 無理することで再発リスクが高まる
- 職場環境が合わない場合、早期離職につながる可能性がある
それぞれのメリット・デメリットを把握したうえで、自身が納得できるよう判断することが重要です。
障害者手帳があれば障害者雇用枠も選べる
適応障害によって障害者手帳を交付してもらえれば、一般雇用枠に加えて障害者雇用枠も選択肢に入ります。障害者雇用枠であれば適応障害を隠す必要はありませんし、合理的配慮を受けられるため、より無理のない環境で働けます。
ただし障害者雇用枠では、やりたい仕事ができるとは限らない点にも留意しましょう。以下の記事では障害者手帳に関する基本情報をまとめています。今回の記事とあわせてぜひ参考にしてください。
あわせて読みたい ▼ 障害者手帳について
ブランク期間は「休養していた」とシンプルに伝えてOK
適応障害によって休養していた場合、面接時のブランク期間の説明では正直に伝えて構いません。企業が知りたいのは、過去の病名そのものよりも「現在は安定して働ける状態かどうか」です。
必要に応じて十分な休息が取れたことをアピールできれば、長期的な就労希望にも説得力が生まれます。また先述の通り、無理に詳細な病状や診断名まで説明する必要もありません。
ブランク期間については「心身のコンディションを整え、現在は主治医の判断のもと就労可能な状態です」と細くできれば、より安心感を与えられるでしょう。
自分に合う職場を見つけるために|企業選びのポイント

ここでは、適応障害に悩む人が、自分に合う職場を見つけるためのヒントをご紹介します。無理せずに働ける職場選びは、今後の健康的な生活や日常にも影響を与えます。企業を選ぶポイントをつかみ、自分らしい働き方を実現しましょう。
適応障害につながる要素のある企業は避ける
適応障害の再発や悪化を防ぐためには、ストレスの原因となる業務や企業を避ける必要があります。とはいえ仕事である限り、ストレスを完全にゼロにすることは難しいでしょう。
まず自分にとってのストレス要素を洗い出し、より強くストレスを感じる要素を順番に明文化します。そのうえで「これだけは避けたい」という要素を持つ企業は候補から外しましょう。
障害者雇用でもカジュアル面談がありますので、面接時の質疑応答でシンプルに聞いてみることをおすすめします。たとえば「数字に追われるのがストレス」という人はノルマについて、労働時間の長さが気になる人は残業時間について質問してみましょう。
面接・職場見学では「相談しやすい雰囲気か」を確認
職場選びでは「ストレスを感じたときに相談できる環境か」も重要な要素です。面接や職場見学に行く際は、相談しやすい雰囲気かどうかを確認しましょう。実際に働く従業員の口コミをリサーチするのもおすすめです。
またメンタルサポート窓口やメンター制度など、従業員の心のケアに関する取り組みもチェックしましょう。部署内で相談しにくい内容でも、専用窓口があればフォロー&サポートが可能である場合もあります。
入社前に配慮事項を伝えるとミスマッチを防げる
一般就労であっても、入社前に配慮事項を伝えられればミスマッチ防止につながります。たとえば「突発的な業務追加は避けたい」や「騒音が少ない場所で働きたい」などであれば、常識的な範囲での要求といえるでしょう。
ポイントは「治療や感情への配慮」ではなく「業務上の工夫として説明できる配慮」であることです。特殊な配慮を希望すると、選考に影響を与えてしまうことも。配慮の内容や規模によっては、障害者雇用枠の活用も検討することをおすすめします。
自分のペースで転職活動を進める方法

ここでは、適応障害で悩む人が、自分のペースで転職活動を進めるための方法をご紹介します。もっとも大切にしたい要素は、自分の心身の状態が安定していることです。周りと比べず、自分のペースを守りながら一歩ずつ進んでいきましょう。
まずは求人を見るだけでOK
転職活動の第一歩は「求人票を見るだけ」でOKです。転職活動では「応募しなければならない」と思うほど心身の負担が大きくなるもの。適応障害に悩んでいる人の場合、最初から行動量を増やすことは推奨されません。
求人票を眺めながら、どのような職業や働き方があるのかを知るだけでも安心感につながります。始めたばかりの頃は、気になる条件をメモする程度に留め、理想の職場環境をイメージしていきましょう。
スカウト型なら待っているだけで企業からメッセージが届く
スカウト型の転職サービスを利用すれば、登録して待っているだけで企業からメッセージが届きます。自分の能力や経歴とマッチする企業からのみ連絡が来るため、短期間で効率的な転職活動が実現します。
自分から積極的に動く必要がなく、気力が安定しない時期でも活用しやすい点が魅力です。もし就労につながらない場合でも、届いたメッセージを読むだけで「自身の市場価値を知るための指針」になります。
障害者雇用枠で転職するなら専門のサービスを使うのがおすすめ
障害者雇用枠での転職を検討する際は、専門的なサービスの活用がおすすめです。専門サービスでは、適応障害への理解がある担当者がついてくれる点が大きなメリットです。
配慮事項の整理や企業との連絡を代行してくれるため、転職の悩みや業務を1人で抱え込む必要がありません。自分の状態に合った求人を紹介してもらえ、無理のないペースで転職活動を進められます。
【Q&A】適応障害からの転職についてのお悩み

ここでは、適応障害からの転職に関する悩みについてお答えします。とはいえ病状や環境により適した回答は異なるものです。主治医とも相談しつつ、自分にとって適切な方法で転職活動しましょう。
Q. 適応障害でも転職できる?
適応障害があっても転職することは可能です。適応障害のおもな原因は「環境とのミスマッチ」であり、能力不足によるものではありません。
体調が安定し、自分に合う働き方や職場条件を整理できていれば、転職によって状況が改善される可能性もあります。
Q. 転職活動はいつから始めていい?
適応障害に悩む人の転職活動は、主治医から「就労できる」と判断されてからスタートしましょう。心身の状態だけではなく、生活リズムも安定した時期が目安です。
まずは短時間の外出や情報収集などから始め、段階的に進めていくことが大切です。
Q. 適応障害になったことは履歴書に書く必要がある?
原則として履歴書に病名を書く義務はありません。ただし配慮を求めるのであれば、面接時に口頭で伝えることでミスマッチを防げます。
採用側が重視するのは障害の有無ではなく「結果として現在安定して働けるかどうか」です。
Q. また同じことを繰り返してしまうのが怖い…
適応障害を患った人にとって、再発や悪化を不安に思うのは自然なことです。
不安をケアするためには、発症の原因を振り返り「避けたい環境」や「安心して働くために必要な条件」を言語化することが大切。過去の経験を活かした職場選びこそが、再発防止につながるのです。
自分に合う環境で、再スタートを切ろう

今回は、適応障害における復職・転職のポイントや自分に合った職場を探す際のヒントなどをご紹介しました。
ストレスを感じる状況や出来事が明確であるほど、環境変化の方針を定めやすくなります。自分に合う職場を探すためには、自己分析や状況整理が欠かせません。
まずは自分のペースで過去を振り返り、新しい職場に求める条件を洗い出してみましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の治療法や診断を推奨するものではありません。症状にお悩みの方は、必ず医師などの専門機関にご相談ください。

2017年にWebライターとして活動を開始し、数多くのメディアでライターとして活動。年間1,000本以上記事を制作する専門ライター。子ども教育やメンタルヘルス関連のメディアでの活動実績が多い。


