作成日:
2025年7月11日
更新日:
2026年2月11日

自律神経失調症は何科に行けばいい?病院に行くべき症状や受診のタイミング

[監修者]北川 庄治

デコボコベース株式会社 最高品質責任者(CQO)

東京大学大学院 教育学研究科
博士課程 単位取得満期退学

通信制高校教諭、障害児の学習支援教室での教材作成・個別指導 講師を経て、現在は療育プログラムの開発、保護者や支援者向けの研修を実施

▼この記事の3つのポイント

  • 自律神経失調症は心と体の不調が同時に現れる状態で、動悸・めまい・不眠・胃腸の不調など、多岐にわたる症状が出ることがあります
  • 症状が3カ月以上続く場合や、日常生活に支障を感じる場合は、内科・心療内科・精神科の受診を検討しましょう
  • セルフケアも大切ですが、自己判断せず、無理のない範囲で医療や専門家のサポートを受けることが回復への近道です

最近調子が悪い…もしかして自律神経が関係している?

出典:photoAC

ストレスの多い現代社会において、幅広い世代が危惧する疾患の一つが「自律神経失調症」です。自律神経失調症はおもにストレスによって発症すると言われています。症状に悩むうちにさらにストレスが増えていく……という悪循環を生んでしまいがちです。

今回は、自律神経失調症の原因や症状、自律神経失調症を疑ったとき何科に行くべきかなどをご紹介します。「最近少し疲れているだけ」と思って放置していると、日常生活を送るのが難しいほど症状が悪化してしまうことも。自律神経失調症のサインを学びつつ、正しい判断と回復につなげていきましょう。

自律神経失調症とは?病院に行くべき症状をチェック

出典:photoAC

ここでは、自律神経失調症を疑った際に病院に行くべき症状をご紹介します。自律神経失調症は自覚しにくい症状も多く、気づいた頃には状態が悪化してしまっていることも珍しくありません。専門家の力を借りるべきシーンを学び、円滑な回復を目指しましょう。

自律神経失調症のおもな症状とは?

以下に、自律神経失調症のおもな症状を記載します。

  • 動悸・息切れ
  • 頭痛・頭が重い
  • めまい
  • 不眠
  • 立ちくらみ・ふらつき
  • 下痢や便秘
  • 汗が止まらない
  • 手足のしびれ・痛み
  • 手足の冷え
  • 倦怠感・疲れやすい
  • 肩こり・首すじのこり
  • 耳鳴り・めまい
  • 胸やけ・胃もたれ・胃の痛み・吐き気
  • 食欲減退
  • 些細なことでイライラする
  • 不安・憂鬱な気持ちになる
  • 不眠 など

自律神経失調症の症状には個人差があり「一過性の体調不良」と判断してしまう人も少なくありません。また自律神経は体中のあらゆる臓器とつながっているため、一部の症状しか表面化しない人も多いのです。

参考:自律神経失調症「日本臨床内科医会」

自律神経が乱れる原因について

自律神経が乱れるメカニズムとして、自律神経を構成する「交感神経」と「副交感神経」のバランスが崩れることが挙げられます。健康的な人体では、活動や緊張にかかわる交感神経と、休息やリラックスにかかわる副交感神経が状況に応じて働くことで、内臓が正常に作用します。

しかしストレスや生活習慣によって交感神経・副交感神経のバランスが崩れると、内臓が正常に作用しないため、さまざまな不調が体に表れるわけです。自律神経失調症におけるストレスとは、精神的な悩みだけではありません。気温の変化や運動不足、騒音、日照時間の不足など身体的なストレスも含まれます。

参考:自律神経失調症「日本臨床内科医会」

病院に行くべきタイミングはある?

病院に行くべきタイミングは、自律神経失調症の症状が3カ月以上続いた場合といわれています。また3カ月以下の際も、症状によって生活に困難を抱いている場合は、早い段階で専門医の指示を仰ぐべきでしょう。

参考:
新宿うるおいこころのクリニック 「自律神経失調症は病院に行くべき?」
大正製薬 大正健康ナビ「自律神経失調症」

放置はダメ!そのままにしておくリスク

自律神経失調症を放置すると、さまざまなリスクが懸念されます。たとえば、自律神経失調症を放置し、症状が悪化することで、うつ病やパニック障害などの精神疾患を発症するリスクと考えられます。

心身に異常を感じている場合は、早めに受診しましょう。

参考:医療法人秀山会 白峰クリニック「自律神経失調症について」

自律神経失調症は何科に行けばいい?

出典:photoAC

最初に受診する診療科としては、内科や心療内科、精神科が挙げられます。なかでも心療内科は、身体症状と心の状態の両方を総合的に診断・治療する専門科なので、原因が複合的な自律神経失調症に適しています。

また症状が強く心の不調が大きい場合は、精神科を検討してもよいでしょう。さらに、内科では身体面の検査を通じて他の疾患を除外できるため、まず相談する窓口としても適しています。症状の程度や悩みの種類に応じて、まずは身近なクリニックを受診し、必要に応じて専門医を紹介してもらうことが大切です。

参考:サントリーウェルネスOnline「自律神経失調症は何科を受診すればいい?」(医師監修)

病院に行く前にできるセルフチェックと対処法

出典:photoAC

ここでは、自律神経失調症で病院に行く前に試したい、セルフチェック方法や自身でできるセルフケアについて解説します。

セルフチェックのポイントはある?

自律神経失調症で受診をするかどうかのセルフチェックについては、以下のような項目が挙げられます。

  • 最近立ちくらみが増えた
  • 何もしていないのに心臓がドキドキする
  • 寒い(暑い)時季なのに冷房(暖房)をつけてしまう
  • 慢性的に胃がもたれており、空腹なのに食べられない 

ただし上記は一例であり、あくまでも目安になります。症状の自己判断は非常に危険ですので、少しでも異常を感じる場合は受診をしましょう。

参考:西春内科・在宅クリニック「自律神経失調症のセルフチェック26項目」

ストレスケアや生活習慣の見直し

自律神経失調症は、生活習慣の乱れによる身体的なストレスによっても発症・悪化リスクが上がります。

睡眠・食事・運動など、基本的なセルフケアに立ち返り、健全な生活習慣を取り戻すことが大切です。とくに夜勤や過度な残業などで昼夜逆転生活をしている人は、働き方自体を変化させることが症状の改善につながるでしょう。

ただし、セルフケアについては自己判断はせず、少しでも異常を感じた場合は受診することを心がけましょう。

参考:
大正製薬 大正健康ナビ「自律神経失調症」
大正製薬 大正健康ナビ「自律神経を整えるには。セルフケアを始めよう」

簡単なリラクゼーション法

ストレスを緩和するために、自分でできる簡単なリラクゼーション方法を取り入れるのもおすすめです。

たとえば深呼吸・入浴・ストレッチ・軽い運動・アロマテラピー・アニマルテラピー・瞑想・ヨガ・イメージトレーニングなど、自分が心から「癒される」「リラックスできる」と思える方法を試してみましょう。

リラクゼーションについても自己判断はせず、少しでも異常を感じた場合は受診することを心がけましょう。

参考:
大正製薬 大正健康ナビ「自律神経失調症」
大正製薬 大正健康ナビ「自律神経を整えるには。セルフケアを始めよう」

受診後の流れと治療の選択肢

出典:photoAC

ここでは、自律神経失調症で病院を受診した後の流れや治療の選択肢について解説します。自律神経失調症の治療ルートは、症状や原因によって大きく異なるものです。自分に合わない治療を提案された際は正直に伝え、場合によっては通院先の変更も視野に入れましょう。

1. 診察・検査でのチェック内容

自律神経失調症では、症状に応じて診察や検査が実施されます。たとえば動悸がする際は心電図検査、胃痛がある際は胃カメラの検査などが代表的です。問診を含む診察の結果、体に何も異常が見られない場合には自律神経失調症と診断されます。

参考:
サントリーウェルネスOnline「自律神経失調症は何科を受診すればいい?」(医師監修)
大正製薬 大正健康ナビ「自律神経失調症」
田町三田こころみクリニック「【医師が解説】自律神経失調症の症状・診断・治療」

2. 薬物療法・漢方療法

自律神経失調症では、自律神経に直接作用する「自律神経調整薬」や漢方薬などの投与が一般的です。治療方針によっては、ホルモンバランスを整えるホルモン剤が投与されることも。また患者の状態によっては、抗うつ剤や抗不安剤、睡眠薬などを投与し、心や睡眠の状態を整える場合もあります。

参考:
サントリーウェルネスOnline「自律神経失調症は何科を受診すればいい?」(医師監修)
大正製薬 大正健康ナビ「自律神経失調症」
田町三田こころみクリニック「【医師が解説】自律神経失調症の症状・診断・治療」

3. カウンセリングや認知行動療法

カウンセリングや認知行動療法も、自律神経失調症の治療法の一つです。ストレスケアや生活指導を通して、心身の負担を減らす方法といえます。共感や提案、ネガティブな思考パターンの修正などを取り入れることで、自律神経の乱れの改善を狙います。

参考:
サントリーウェルネスOnline「自律神経失調症は何科を受診すればいい?」(医師監修)
大正製薬 大正健康ナビ「自律神経失調症」
田町三田こころみクリニック「【医師が解説】自律神経失調症の症状・診断・治療」

4. 継続的な通院の意義

自律神経失調症の治療では、継続的な通院による「症状のコントロール」が重要です。症状や状態を専門医やカウンセラーと共有し、現時点に見合った対処法を取り入れることが求められます。自己判断で通院を止めてしまうと、症状の悪化につながるリスクがあると認識しましょう。

参考:
サントリーウェルネスOnline「自律神経失調症は何科を受診すればいい?」(医師監修)
大正製薬 大正健康ナビ「自律神経失調症」
田町三田こころみクリニック「【医師が解説】自律神経失調症の症状・診断・治療」

自律神経失調症の受診と症状改善のポイント

出典:photoAC

今回は、自律神経失調症の症状や対処法、症状改善のポイントなどをご紹介しました。

自律神経失調症の症状を改善するためのポイントは、以下の3つです。

  • 症状に応じた診療科を受診する
  • 症状や治療の中断を自己判断せず、継続的に受診する
  • 専門医やカウンセラーの力も借りつつ、ストレスの原因を明確にする

とくに「定期的・継続的な受診」は、症状をコントロールするためには欠かせません。経済的・時間的にも無理なく通える範囲から、状態や症状に合った通院先を探してみましょう。

※この記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の疾患の診断や治療、予防法を推奨するものではありません。症状がある場合は、必ず医療機関を受診してください。

[ライター]山口 愛未

2017年にWebライターとして活動を開始し、数多くのメディアでライターとして活動。年間1,000本以上記事を制作する専門ライター。子ども教育やメンタルヘルス関連のメディアでの活動実績が多い。

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