作成日:
2026年1月26日
更新日:
2026年1月28日

障害者手帳の更新方法|いつから申請できる?必要なものと手続きの流れ

▼この記事の3つのポイント

  • 障害者手帳のなかでも「精神障害者保健福祉手帳」は2年ごとの更新が必要
  • 都道府県によっては有効期限を通知されない場合もある
  • 更新申請は有効期限の3カ月前から可能

障害者手帳は更新が必要?どこでどうすればいいの?

障害者手帳
出典:photoAC

何かと面倒な公的手続き。とくに障害のある人にとっては、一つひとつの手続きに大きな負担を感じることもあるでしょう。多くの資料のなかでも、障害者手帳は生活のために必要なシーンが多いものです。

今回は、障害者手帳の更新に関するルールや実際に更新するための方法などをご紹介します。更新方法の全体像をイメージできれば、手続きする際の気持ちも軽くなります。更新を忘れてしまったときのリスクについても解説していきますので、ぜひ最後までご拝読のうえ参考にしてください。

障害者手帳の種類ごとの更新ルール

オフィスの女性
出典:photoAC

ここでは、障害者手帳の種類ごとのルールをご紹介します。障害者手帳には、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保険福祉手帳の3種類があります。手帳ごとの性質を把握したうえで、更新の度に必要な手続きや期限などを確認していきましょう。

出典:厚生労働省「障害者手帳」

身体障害者手帳は原則更新不要

身体障害者手帳は、視覚や聴覚など体の機能に「一定以上の障害がある」と認められた人に交付される手帳です。身体障害者手帳は、障害者手帳のなかで唯一「更新がいらない手帳」であり、原則として有効期限は存在しません。

ただし障害の内容によっては、身体障害者診断書や意見書などの再提出が求められる場合があります。提出の結果、障害の程度に大きな変化が見られた場合は、新しい手帳が交付されます。「更新する必要はないが、異なる手帳の交付を望む際は資料提出が必要」と覚えておきましょう。

出典:荒川区「身体障害者手帳・愛の手帳・精神障害者保健福祉手帳に有効期限はありますか?」

療育手帳は年齢に応じた再判定がある

療育手帳は、児童相談所や知的障害者更生相談所で「知的障害がある」と判定された人に交付される手帳です。更新の運用や判定基準は、各自治体に委ねられています。そのため具体的な手続き方法は各自治体の担当窓口に問い合わせる必要があります。

たとえば神奈川県の場合は、18歳未満は児童相談所、18歳以上は総合療育相談センターで更新手続きが可能です。東京都の場合は療育手帳が「愛の手帳」と呼ばれており、基本的に有効期限はありません。ただし18歳に達した際は、更新の判定を受けて手帳を書き換える必要があります(3・6・12歳時に年齢更新のための判定も必要です)。

出典:神奈川県「療育手帳のQ&A」
   東京都心身障害者福祉センター「手帳の諸手続き(愛の手帳Q&A)」

精神障害者保健福祉手帳は2年ごとに更新が必要

精神障害者保健福祉手帳は「一定程度の精神障害の状態にあること」と認定された人に交付される手帳です。1級・2級・3級と区分されていますが、すべての種類において2年間の有効期限が定められています。

交付日は手帳本体に記載されており、更新を希望する際は「有効期限の3ヶ月前」から申請を受け付けてもらえます。自治体によっては、LINE登録することで手続き期間の開始1週間前に通知が来るサービスも展開中です。また更新前に等級変更が認められた場合は、新しい等級の決定日からの2年間が有効期限となります。

出典:東京都「精神障害者保健福祉手帳」
   川崎市「精神障害者保健福祉手帳」

【精神障害者保健福祉手帳】更新はいつから申請できる?

カレンダー
出典:photoAC

ここでは障害者手帳のなかでも「精神障害者保健福祉手帳」における、更新時期について詳しくご紹介します。障害の状態によっては、更新の手続きもままならないケースもあるでしょう。あらかじめ全体の流れを把握し、いざというときに慌てないよう備えることが大切です。

手帳に記載された有効期限を確認する

精神障害者保健福祉手帳には、表面の顔写真の下に、交付年月日と有効期限が記載されています。上記で触れたように、精神障害者保健福祉手帳の有効期限は交付から2年間です。厳密には「2年が経過する日の末日」となります。

たとえば2026年3月5日に交付された精神障害者保健福祉手帳は、2028年3月31日が有効期限です。継続して利用するためには、新規申請時と同じように、医師から診断書を貰い必要書類を役所で提出する必要があります。

更新の通知が届かない場合もある

東京都に限らず多くの自治体では、LINE登録による有効期限の通知サービスを実施中です。また本人だけではなく家族にも通知が来るため、本人によるスケジュール管理や更新申請が難しい場合でも安心です。

さらに設定次第では、更新4カ月前、3カ月前、1カ月前など細かく設定できます。ただし自治体によっては、更新のお知らせを一切出していないケースもあります。交付時や更新時は、お住まいの自治体の最新情報をご確認ください。

出典:浦安市「精神障害者保健福祉手帳および自立支援医療(精神通院)における更新通知(公式LINE)」

【精神障害者保健福祉手帳】更新に必要なものと準備のポイント

年金手帳
出典:photoAC

ここでは、精神障害者保健福祉手帳の更新に必要な資料や準備する際のポイントなどをご紹介します。とくに更新通知のない自治体に住んでいる人は、土壇場になって必要資料をかき集めなければならないリスクもあるはずです。焦らず確実に更新するために、必要なものを把握しておきましょう。

出典:埼玉県「精神障害者保健福祉手帳」

診断書または年金証書の写し

精神障害者保健福祉手帳の更新では、医師の診断書または年金証書の写しが必要です。診断書は医療機関で作成してもらえます。用紙自体は市町村担当窓口にありますが、かかりつけの医療機関に備えられているケースもありますので確認しておきましょう。診断書は、申請日から3カ月以内に作成されたものが有効です。

年金証書は「精神障害を支給事由とする年金給付を、現に受けていることを証明する書類」です。年金事務所や共済組合などへ照会するための同意書が必要となります。

本人写真

新しい手帳用の本人写真も必要です。写真のサイズ規定は「縦4cm、横3cm」。1年以内に撮影された写真に限ります。また帽子を脱ぎ、上半身を写したものが求められます。写真の裏面には、氏名と生年月日を記載してください。

紙様式であれば、最終的に手帳を窓口で交付する際に写真を持参します。もちろん申請時の提出でも構いません。カード様式であれば印刷が必要であるため、申請時に必ず持参しましょう(ただし手帳の更新欄が余っている場合は、写真は不要です)。

出典:横浜市「区役所窓口での申請について-精神障害者保健福祉手帳-」

その他の必要書類

上記の資料のほかにも、以下の資料が必要です。

  • 現在の精神障害者保健福祉手帳
  • 精神障害者保健福祉手帳申請書(用紙は担当窓口にあります)
  • 個人番号確認書類(個人番号カードや通知カードなど)
  • 本人確認書類(個人番号カードがない場合。パスポートや免許証など顔写真つきの身分証)
  • 代理人の本人確認書類(代理人が申請する場合)
  • 保護者の本人確認書類(手帳を取得したい人が18歳未満の場合) 

また自治体によっては、必要な資料の内容や書式が異なる場合もあります。提出前には、必ず申請する自治体のホームページで確認するか、担当窓口に問い合わせましょう。

マイナンバーカード以外にも顔写真付きの身分証がない場合は、健康保険証や年金手帳、自立支援医療受給商社などを2点持参する必要があります。

【精神障害者保健福祉手帳】更新手続きの流れ

提案する女性
出典:photoAC

ここでは、実際に精神障害者保健福祉手帳を更新する際の手続きの流れをご紹介します。必要書類を準備するハードルさえ越えれば、あとの申請や受け取りは簡単なものです。スムーズな受け取りのためにも、今やるべきタスクを一つひとつクリアにしていきましょう。

1. 必要書類を準備する

精神障害者保健福祉手帳の更新では、事前に必要書類を揃えておきます。自治体の情報に従い、一つひとつ準備していきましょう。診断書は指定の様式があるため、作成に時間がかかる可能性があります。早めに医療機関へ依頼し、余裕を持って備えましょう。

2. 窓口で申請する

資料が揃ったら、住民票のある市区町村の担当窓口で更新を申請します。原則として本人が申請すべきですが、資料を揃えれば代理人による申請も可能です。

3. 審査を経て新しい手帳を受け取る

申請後の審査では障害の状態や等級などが確認されます。完了後、新規発行時と同じように手帳を受け取れます。ただし審査の結果、非該当に判定された場合は交付されません。その際は、手帳を返還する必要があります。非該当に納得できないのであれば、都道府県に不服申し立てができますので、担当窓口に相談してみましょう。

更新を忘れてしまった場合はどうなる?対処法は?

驚く男性
出典:photoAC

ここでは、更新手続きを忘れてしまったときの対処法についてご紹介します。障害者手帳の有効期限が失効すると、その時点から障害者として公的に証明できなくなってしまいます。失効のリスクを把握したうえで、再申請について学びましょう。

受けられなくなるサービスがある

更新を忘れると障害者であることが証明できないため、各種手当の受給や税金の控除が受けられなくなります。もちろん交通機関や一部施設の割引なども対象外となり、自動車税の減免などもなくなります。

また確定申告の際には、所得税・住民税・相続税の控除も対象外に。贈与税の非課税も該当しません。ほかにも多くのサービスが受けられなくなるため、現在も障害者手帳の交付対象である場合は、できる限り早く再申請しましょう。

出典:名古屋愛知障害年金サポート「障害者手帳のメリットとデメリット」

期限切れでも再申請は可能

障害者手帳の期限が切れても再申請は可能です。更新を忘れていることに気づいたら、すぐにお住まいの自治体の担当部署に問い合わせましょう。

事情を説明し指示に従って手続きします。円滑に再発行が決定しても、手帳が失効している期間は、障害者手帳の提示を条件とするサービスは利用できません。また対応によっては更新ではなく「新規発行」に近い扱いとなる可能性がある点に留意しましょう。

手続きに困ったときの相談先

働く男性
出典:photoAC

ここでは、障害者手帳の更新手続きに困ったときの相談先をご紹介します。準備すべき資料や連絡先などに迷っても、1人で抱え込む必要はありません。知識を持つ職員を頼り、円滑な申請につなげましょう。

市区町村の障害福祉課・保健福祉センター

多くの場合、自治体における障害者手帳の専門窓口は「障害福祉課」かそれに準じた名称です。わからないことがあれば区役所や市役所に赴き、窓口で相談しましょう。

また各都道府県には、精神保健福祉法により「保健福祉センター」の設置が義務付けられています。保健福祉センターとは精神疾患を持つ人の社会復帰を目指す施設であり、障害者手帳についても親身に相談に乗ってもらえます。

かかりつけの医療機関

精神科や心療内科などの医療機関でも、障害者手帳に関する相談が可能です。自身の状態が障害者手帳の対象になっていれば、事情を説明することでスムーズに診断書を提出してもらえるでしょう。

また障害者手帳の交付条件の一つに「同じ疾患で初診から6カ月以上経過していること」があります。もし病院を途中で切り替えた場合でも、診察対象の疾患が同じであれば診療期間は継続していますので、通い始めたばかりの病院でも安心して相談しましょう。

出典:こころえがおクリニック「精神障害者手帳について」

ギリギリにならないよう期限を把握しておこう

パソコンを使う女性
出典:photoAC

今回は、障害者手帳を更新する方法や必要な資料などをご紹介しました。必要書類のなかには、診断書や年金証書の写しなど、即日の用意が難しいものも多くあります。更新期限を事前に把握し、時間に余裕を持って用意する習慣が大切です。

精神疾患を患っている人にとっては、一つひとつの準備に大きな負担をともなうこともあるでしょう。とはいえ、資料なくしては更新できません。心身の負担を最小限に抑えるためにも、数カ月前から更新準備を始めておくと安心です。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の治療法や診断を推奨するものではありません。症状にお悩みの方は、必ず医師などの専門機関にご相談ください。

[ライター]山口 愛未

2017年にWebライターとして活動を開始し、数多くのメディアでライターとして活動。年間1,000本以上記事を制作する専門ライター。子ども教育やメンタルヘルス関連のメディアでの活動実績が多い。

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