作成日:
2025年7月30日
更新日:
2025年7月28日

適応障害での休職|診断書のもらい方や会社への伝え方、休職期間について解説

▼この記事の3つのポイント

  • 適応障害による休職は「甘え」ではなく、心と身体を整えるために必要、かつ大切な時間です
  • 休職の流れは医師による診断と診断書の提出から始まり、会社と相談しながら進めます
  • 状態が安定すれば復職も可能で、必要に応じて転職や公的支援制度の活用も選択肢となります

適応障害で休職を勧められたけど、どうすればいい……?

出典:photoAC

適応障害と診断され、休職を勧められると戸惑いや不安を感じる方も少なくありません。まずは主治医としっかり話し合い、診断書を受け取ることが第一歩です。

職場には無理のない範囲で状況を伝え、体調の回復を最優先にしましょう。休職は「逃げ」ではなく「回復への準備期間」です。

サポートを受けながら、自分のペースで心と身体を整えていくことが大切です。この記事では、休職の流れや周りへの伝え方をていねいに解説していきます。

そもそも、適応障害とは?

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適応障害とは、職場のストレスや環境の変化などにうまく対応できず、心身に不調が表れる状態を指します。不安や気分の落ち込み、集中力の低下、眠れないなどが主な症状です。

原因がはっきりしていることが多く、ストレスから離れると回復する場合もあります。うつ病とは異なり、一時的な反応とされることが多いため、早めの対応で回復が見込める点がポイントです。

心や体のつらさに気づいたら、我慢せずに病院に相談してみましょう。

適応障害で休職が必要だといわれる目安は?

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適応障害で休職が必要だといわれる目安は、心身の不調が連日続き、業務に著しい支障が出ている状態です。次のような症状があるときは、注意が必要です。

  • 不安や抑うつ(気分が落ち込み、憂うつな状態になること)で集中できない
  • 出勤前に動悸(どうき)や頭痛が起こる
  • 欠勤や遅刻が増える

休日に十分休んでも回復せず、趣味も楽しめない場合は早めに医療機関を受診してみてください。休職が必要かどうかは、医師の診察を受けたうえで判断されます。

自分だけでがんばり続けてしまうと、症状が悪化する恐れがあります。不安なときは、休職を含め早めに専門家に相談することが重要です。

適応障害の休職期間はどれくらい?

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適応障害の休職期間は、数週間から3か月程度が目安ですが、症状の重さや回復のペースによって異なります。医師の判断をもとに、状態を見ながら休職期間が調整されるようです。焦って復帰を急ぐのではなく、心と体が整う時間を大切にしましょう。

職場と連携を取りながら、無理のない復帰プランを立てることも大事です。安心して職場に戻るためにも、休職中は焦らず段階的に準備していくことが回復への近道です。

適応障害で休職をする際の流れ

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適応障害で休職する際は、まず医療機関を受診し、医師の診断書を持って会社へ休職を申請します。その後はゆっくり休んで体調を整えながら、医師や会社と相談して、仕事に戻る準備を進めていくのが一般的です。

休職するまでの段階を詳しく解説するので、みてみましょう。

1. 心身の不調に気づいたら、早めに受診する

「最近つらい」「体が動かない」と感じたら、無理せずに医療機関を受診しましょう。適応障害は、ストレスによって心や体に不調が表れる状態です。

早い段階で受診することで、症状の悪化を防げるでしょう。自分では気づきにくい場合もあるため、家族や周囲からの声に耳を傾けることも大切です。

つらさを一人で抱え込まず、まずは相談することが回復への第一歩です。

2. 医師から「休職が必要」と診断された場合、診断書をもらう

医師から「休職が必要」と診断された場合は、必ず診断書を発行してもらいましょう。診断書は、会社に休職の相談をするときに役立つ書類です。受け取りの際には、次のことが書かれているか確認してみてください。

  • 診断名
  • 休職期間
  • 休職が必要な理由
  • 医療機関名や医師の名前

診断書があると、職場に自分の状況をわかりやすく伝えることができ、無理なく休職する準備を進められます。

3. 職場に連絡し、診断書を提出して休職の手続きをする

診断書をもらったら、まず会社に「休みたい」という気持ちを伝えましょう。体調がつらいときは、メールでも大丈夫です。

自分で連絡するのが難しければ、家族に代わってもらってもかまいません。そのあとで診断書を会社に提出し、休職の手続きをします。休職に関する書類の出し方や必要なことは、会社の担当の人に聞けば教えてくれるはずです。無理せず、自分のペースで進めましょう。

4. 会社指定の手続き(就業規則に基づく)を進める

休職の意思を伝えたあとは、会社の決まり(就業規則)に従って手続きを進めます。会社によっては、休職の申請書を出したり、産業医と話したりすることが必要です。

休職するにあたって、何をすればよいかわからないときは、人事の人に聞いてみましょう。体調がつらいときは、家族や同僚に手伝ってもらってもかまいません。

決められた流れに従って進めることで、落ち着いて休職に入る準備を進められるでしょう。

5. 休職期間中はしっかり療養・治療に専念する

休職期間中、仕事のことは一度忘れて、心と体を休めることに集中することが大切です。休職期間中に「早く治さなければ」と無理に思わなくても大丈夫です。

治療を続けながら、自分のペースで少しずつ回復を目指しましょう。休職している間は、医師のアドバイスを受けながら、生活リズムを整えたり、安心できる環境で過ごしたりすることが回復につながります。焦らず「休むこと」も必要な時間だと受け止めてみてください。

適応障害で休職をする際のQ&A

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適応障害で休職を考えているとき「どう伝えればいいの?」「周りの目が気になる」など、悩むこと自体珍しくありません。ここでは、適応障害で休職する際のよくある3つの疑問にやさしくお答えします。一人で抱え込まず、安心して読み進めてみてください。

Q. 会社への伝え方がわからない

体調がつらくて休職したくても、会社にどう伝えればいいか悩むときは、無理をせずシンプルに伝えることを心がけましょう。休職するときは、次のような内容を押さえておくと、スムーズに伝えられます。

  • 医師から休養が必要と診断された
  • 診断書を提出予定である
  • 一時的に仕事をすることが難しい

直接話すのがつらいときは、メールや電話でも問題ありません。すべてを詳しく話そうとせず、必要なことだけを伝えてみてください。

Q. 適応障害で休職するのは甘えだと思われそうで不安…

「休職なんて甘えでは?」と不安になる方もいらっしゃるでしょう。しかし、無理を続ければ症状が悪化する恐れもあります。

治すために休職することは、決して悪いことではありません。休職は元気を取り戻すために、とても大切な時間です。周囲の目より、自分の心と体を守ることを優先しましょう。

Q. 復職のとき、職場にどう伝えればいい?

復職のタイミングが近づいたら、まずは主治医と相談し、働ける状態かどうかを確認しましょう。そのうえで会社に、次のようなことを伝えます。

  • 医師から復職の許可が出たこと
  • 復職を希望する時期
  • 体調面で必要な配慮があるかどうか

たとえば「少しずつ仕事に慣れていきたい」「お客様と関わる業務はまだ難しそう」など、自分の気持ちもあわせて伝えるとスムーズです。不安なことがあれば、事前に人事担当者と相談しておくのもおすすめです。

適応障害になった場合に使える制度はある?

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適応障害で休職すると、収入や医療費の負担が気になるものです。そのようなときは、公的支援制度を活用し、経済的不安をやわらげましょう。ここでは、休職中に使える代表的な二つの制度を紹介します。

傷病手当金

傷病手当金は、会社員などが病気やけがで働けなくなり、給与がもらえない場合に支給される制度です。健康保険に加入していれば、最長1年6か月間、給与の約67%が受け取れます。

傷病手当に必要な条件や必要なものは次の通りです。

  • 連続する3日間を含む4日以上仕事を休む
  • 医師の意見書
  • 会社の証明

適応障害で休職したときの生活費を支える制度として、多くの方が利用しています。早めに会社や健康保険組合に確認しておきましょう。

出典:厚生労働省 こころの耳 第8回 退職後、傷病手当金の仕組みはどうなっているの?

自立支援医療

自立支援医療は、精神科や心療内科で治療を受けている人の医療費を軽減する制度です。自己負担が3割から1割に減ります。対象となるのは、継続的な通院治療が必要と医師に判断された方です。住んでいる市区町村の窓口で申請しましょう。必要な書類は以下のとおりです。

  • 自立支援医療用の診断書
  • 健康保険証のコピー
  • マイナンバー確認書類
  • 本人確認書類(運転免許証など)

適用期間は原則1年で、継続には更新申請が必要です。自立支援医療は、休職中の費用の不安を減らし、治療に専念できる制度です。

適応障害で休職したけど、復職できるか不安……

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「復職は難しいのでは」と不安になる方もいますが、適応障害は回復が見込める心の病気です。適切な治療とサポートを受けながら、自分のペースで準備すれば復職も十分可能です。

適応障害から復職することは可能

適応障害は、強いストレスによって心や体がつらくなる病気です。原因がはっきりしていることが多く、治療を受けたり、ストレスのもとから少し離れたりすることで、回復していける病気とされています。

そのため、休職したとしても状態が安定すれば復職することは十分可能です。復職の前には、主治医の意見を確認しながら、働き方や勤務時間などを調整することがおすすめです。

休職しても、職場と相談しながら無理のない形で再スタートすることで、安心して仕事に戻ることができるでしょう。

原因が明確な場合は転職も検討する

適応障害の原因が職場の人間関係や働き方にある場合、治療とあわせて転職を検討することも一つの選択肢です。ストレスの元となっている環境に戻ることで、再発のリスクが高まることもあります。

無理に今の職場にこだわらず、自分に合った働き方や環境を見直すことも、回復の一歩です。転職を考えるときは、主治医や支援機関に相談しながら、慎重に準備を進めましょう。

適応障害は甘えじゃない。まずは療養を優先しよう

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適応障害は、決して甘えではありません。強いストレスによって心や体に不調が表れる病気です。「がんばらなきゃ」と無理をせず、まずはしっかり休んで心と体を整えることが大切です。必要なサポートを受けながら、自分のペースで回復を目指しましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の治療法や診断を推奨するものではありません。症状にお悩みの方は、必ず医師などの専門機関にご相談ください。

[ライター]コニーリー 麻弥(看護師 / 保健師)

看護師・保健師資格保有。大学卒業後、大学病院集中治療室で7年勤務し、新生児から老年期まで幅広い患者の急性期ケアを経験。保健師として活動し、看護大学非常勤講師も務める。その後、高齢者施設や看護小規模多機能施設に従事し、老年期医療に携わる。急性期から慢性期まで、幅広い年齢層の患者ケアに携わる。現在は臨床経験を活かし、認知症や介護に関する記事、クリニックのコラムなど医療情報の執筆活動も行っている。

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