作成日:
2025年7月15日
更新日:
2026年2月11日

ストレス解消法4選!ストレスを溜めない方法ややってはいけない発散方法も紹介

[監修者]北川 庄治

デコボコベース株式会社 最高品質責任者(CQO)

東京大学大学院 教育学研究科
博士課程 単位取得満期退学

通信制高校教諭、障害児の学習支援教室での教材作成・個別指導 講師を経て、現在は療育プログラムの開発、保護者や支援者向けの研修を実施

▼この記事の3つのポイント

  • ストレスは誰にでも起こる自然な反応であり、心理・身体・行動に影響するため、放置せず早めの対処が大切です
  • 深呼吸・軽い運動・音楽や趣味など、自分に合ったストレス解消法を見つけて実践することが心身の安定につながります
  • 暴飲暴食・衝動買い・過激な発言など逆効果の発散方法に注意しつつ、必要に応じて専門機関のサポートを受ける意識も持ちましょう

ストレスが溜まって、毎日がつらい……

出典:photoAC

人間関係・仕事・育児・家事・コンプレックス・過去のトラウマ・他人からの評価……。ストレスの多い現代社会で心身ともに健康に生きるためには、ストレスとの向き合い方が大切です。

今回は、ストレスが溜まったときに試したい解消法や、ストレスを感じにくい環境づくりのヒントなどをご紹介します。

気温の変化や音・光などでもストレスを感じる私たちにとって、ストレスを100%なくすことは不可能です。ストレスの正体や原因を明確にしたうえで、自分らしく生きるための対策につなげていきましょう。

参考:厚生労働省 こころの耳「ストレスとは」

ストレス解消法を知る前に押さえておきたい基礎知識

出典:photoAC

ここでは、ストレスに関する基礎知識をご紹介します。効果的な対策を考えるためにはストレスの正体を見極めることが大切です。ストレスが発生する仕組みや予防の重要性を学び、自分の状態を深く理解していきましょう。

ストレスとは?その仕組み

私たちにとって、ストレスは非常に身近な存在です。しかし「ストレスとは何か」についてはイメージしにくい人も多いのではないでしょうか。そもそもストレスとは物理学で使われる用語であり、物体の外側からかけられた圧力により歪みが生じた状態を指します。

心身の分野におけるストレスとは、正式には「ストレッサー」と呼ばれます。ストレッサーとは、心や体にかかる外部からの刺激そのものです。ストレッサーに適応するための心身の反応を、ストレス反応といいます。

ストレス反応は「心理面」「身体面」「行動面」の3つに大別されます。

  • 心理面のストレス反応……イライラ・不安・興味や関心の低下など
  • 身体面のストレス反応……頭痛・胃痛・便秘や下痢・不眠など
  • 行動面のストレス反応……飲酒量の増加・仕事上のミスの増加など

上記のストレス反応が多く、長く続く際は、いわゆる「ストレスが溜まっている状態」といえるでしょう。

ストレスを溜めないための予防の重要性

私たちは生きている限り、何らかのストレスをつねに抱えている状態です。ストレスとはつまり、人生に付きまとうパートナーのような存在なのです。だからこそ、ストレスとは上手に付き合う必要があり、一定以上のストレスを溜めないための環境づくりが求められます。

ストレスが溜まりすぎると、自律神経の乱れやホルモンバランスの低下を引き起こすリスクがあります。身体面における体調不良はもちろん、精神的な疾患を招くことも。またストレスは免疫力の低下につながり、感染症にかかるリスクが高まるともいわれています。

また学業や仕事において、集中力やパフォーマンスの低下、ケアレスミスの増加につながることもあります。ストレスへの早期対策は、自分が自分らしく生きるためだけではなく、周囲に負担をかけないためや、生産性を向上させるためにも必要なのです。

ストレスチェックで自己理解を深める

ストレスと上手に付き合うためには、定期的なストレスチェックによって自己理解を深めることが求められます。ストレスは目に見えず、心の中でどんどん大きくなっていくものです。取り返しのつかない事態になる前に、自分が抱えているストレスの量を客観的に把握していきましょう。

厚生労働省では平成27年12月から、各企業に『ストレスチェック制度』が施行されました。ストレスチェック制度の目的は、労働者のメンタルヘルス不調の防止です。企業ごとに制定されたストレスチェックを活用し、自分の心の状態を認識していきましょう。

また自分でもストレスに対してセルフチェックすることで、心の状態やサインを把握できます。セルフチェックの項目はWeb上でも入手できるため、身近な心療内科や精神科、カウンセリングなどのホームページなどを閲覧してみましょう。

参考:厚生労働省「ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等」

発散だけでなく原因への対処も考える

ストレスに対処するためには、表面的なストレス発散だけではなく、原因の究明も求められます。とくに職場環境や生活環境などにストレスの原因が存在している場合、ストレスを一過性に発散しても、すぐにまたストレスが溜まってしまいます。

定期的にストレスを発散しつつ、根本的な原因を見直しながら対策を進めることが重要です。とくに「明確なストレスの原因がわからない」場合は、病院やカウンセリングなどの専門家から、第三者目線での意見をもらうのもよいでしょう。

ストレス解消法4選!即効性を狙うオススメの発散方法

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ここでは、おすすめのストレス解消法を4つご紹介します。前提として、ストレスへの適切な対処法は原因によって異なるものです。心身をリラックスさせる方法を試したうえで、ストレスの根本的な原因も探していきましょう。

1. 深呼吸や簡単なリラクゼーション法

ストレス解消法では、深呼吸や簡単なリラクゼーションが推奨されます。たとえば厚生労働省では、ストレスケアの一環として腹式呼吸が推奨されています。

1.リラックスしてお腹に手を当てる
2.お腹がへこむようにゆっくりと口から息を吐く
3.お腹をふくらますようにゆっくりと鼻から息を吸う
4.上記を5~10分程度繰り返す

腹式呼吸を続けることで、不安や緊張の緩和を目指します。ほかにも軽いストレッチやヨガ、瞑想、マッサージ、音楽鑑賞など、無理のない範囲でできるリラクゼーション方法を試してみましょう。

参考:厚生労働省 こころもメンテしよう「腹式呼吸をくりかえす」

2. ウォーキングなどの軽い運動

軽い運動やウォーキングなども、ストレス解消法の一つです。運動には、メンタルヘルスや生活の質改善に効果があることが認められています。また軽く運動することで、ストレスを解消させるためのホルモンである『セロトニン』や『エンドルフィン』が分泌されます。

とくにセロトニンは、精神の安定や平常心、安心感などを与えてくれる脳内物質です。精神安定剤と似た分子構造をしており、心を落ち着かせるために役立ちます。運動習慣がない人は、まずは1日10分程度の散歩からスタートするのもよいでしょう。

参考:厚生労働省「身体活動・運動」
   医療法人社団 平成医会「運動がメンタルヘルスに与える影響」

3. アロマや音楽を活用する

ストレス解消法としては、アロマや音楽を活用した方法も挙げられます。アロマセラピーの効果はまだ化学的に証明されていませんが、自然の花や木から採取された香りを楽しむことで、気分転換できる可能性があるでしょう。

音楽は、思考や感情などにかかわる脳の部位が活性化されることがわかっています。医療分野においても音楽療法が用いられるように、一時でもストレスを緩和できる場合があります。五感を刺激してリラックスすることで、心に余裕ができ、気持ちを切り替えるためのサポートとなるでしょう。

参考:厚生労働省 eJIM「アロマセラピー」
   厚生労働省 eJIM「音楽と健康」

4. 短時間の趣味・ゲームで気分転換

ストレスを和らげるためには、何かに没頭する時間を取り入れることをおすすめします。たとえば読書や絵画など短時間の趣味や、ゲームや漫画などの娯楽でも、ストレスが軽減されるでしょう。

何かに集中することでストレスも忘れられるため、気持ちを切り替えるためのきっかけになります。1人で黙々と取り組む趣味も、誰かと協力して楽しく取り組む趣味も、どちらも有用なストレス解消法です。

ただし、ゲームについては中毒性や興奮性の高いものもあるため、リラックス目的の場合はパズルゲームなど穏やかなタイプを選び、時間を決めて楽しむことが大切です。また金銭的・時間的コストをかけすぎると、新しいストレスの原因になってしまうため注意しましょう。

ストレスを溜めない生活リズムと習慣づくり

出典:photoAC

ここでは、ストレスを溜めない生活リズムと習慣づくりについてご紹介します。ストレスを感じにくい生活のためには、日常的な習慣の積み重ねが必要です。自分の性格やライフスタイルとも照らし合わせつつ、心が楽な状態で過ごせる環境をつくっていきましょう。

1. 睡眠と栄養バランスの大切さ

ストレスを溜めない生活リズムのためには、睡眠と栄養バランスを整えることが大切です。質の良い睡眠と食事が、健康的な心と体をつくります。とくに睡眠はストレスと関係が深いとされています。ストレスを感じると睡眠の質が下がり、さらなるストレスの原因に……と悪循環が生まれてしまうのです。

脳は睡眠中に、起きている間に得た情報を整理します。情報を分類・保存・消去する過程で、ストレスが取り除かれることもわかっています。寝具の調整や室温の管理、夜ふかしの我慢など、良い睡眠環境を確保することで日中のストレスも軽減されていくでしょう。

参考:厚生労働省 働く女性の心とからだの応援サイト「睡眠とストレスの関係」

2. こまめな休憩・オンオフの切り替え

こまめな休息を取り入れる習慣も、ストレスを溜めない生活づくりに役立ちます。仕事や学業では、たびたび「オンとオフが大事」といわれますよね。ストレスケアで重視したいのが「オフ」の使い方です。

休息時間でも手を動かしたり、やるべきタスクのことを考えたりしている状態では、心も体も休まりません。オフで上手にストレスやプレッシャーを手放すからこそ、オンとのメリハリが生まれ、結果的に生産性も上がります。仕事・学業の間には意識的に休息を挟み、ストレスが持続しにくい環境をつくりましょう。

3. スマホ・ネットとの上手な付き合い方

現代に生きる私たちにとって、ストレスの大きな要因となるのがスマホ・ネットの存在です。とはいえ、スマホもネットも現代社会の重要なツールの一つ。「スマホがストレスの原因!」といわれても、すぐに手放せるわけではありませんよね。

大切なのは、ストレスを感じる情報源やアプリからは距離を置くことです。情報過多によるストレスを減らし、心が落ち着くような使い方を心がけましょう。人によってはSNSを開く頻度を意識的に減らすだけでも、ストレスを感じる機会が減っていきます。

4. 自分のペースを守るセルフマネジメント

ストレスを溜めにくい環境づくりでは、自分のペースを守るためのセルフマネジメントが求められます。周囲に流されず、マイペースを保つ方法を考えてみましょう。

  • 自分の性格や性質を分析し、強み・弱みを理解する
  • タスクに優先順位をつける
  • SNSを開かない(他人の情報を目する機会を減らす)
  • 困ったときは人に頼り、助け合う
  • 趣味や人付き合いを楽しみ「自分らしさ」を深める
  • 自分のペースや個性を尊重してくれる相手との時間をつくる

上記のような習慣や考え方を導入することで、焦らず落ち着いたペースで生活できるように。つい焦燥感に駆られてしまう人は、「ゆっくりとした話し方や動きを意識する」も試してみてくださいね。

暴れたいほどイライラしたときに役立つ対処法

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ここでは、暴れたいほどイライラしたときに役立つ対処法をご紹介します。ストレスが限界を迎えそうになると、大切な人や物を傷つけてしまいたくなる衝動に駆られますよね。未来の自分が後悔しないためにも、ストレスや感情をコントロールする方法を学んでみましょう。

感情を紙に書き出す

暴れたいほどストレスが溜まったときには、感情を紙に書き出してアウトプットする方法をおすすめします。きちんとした文章である必要はないので、心から湧き上がるままに明文化していきましょう。

ストレスが溜まりすぎると視野が狭まり、自分がイライラしている理由や悲しんでいる理由を見失いがちに。文章によってストレスを「見える化」することで、心の状態やストレスの原因を客観的に把握できると同時に、冷静さを取り戻せる可能性があります。

安全な場所で思い切り動く

安全な場所で思いきり動くことでも、暴れたいほど溜まったストレスの発散を目指します。運動にはネガティブな気分を発散させる作用があるため、心と体のリラックスが期待できるでしょう。運動のなかでも、ランニングやダンスなどの有酸素運動がおすすめです。

ただし慣れていない人が急に運動をすると、リラックスよりも疲労が勝ってしまうことも。自分の体力の上限を加味しつつ「気持ちよかった!」と思える段階で切り上げることが大切です。

参考:厚生労働省 こころをメンテしよう「体を動かす」

怒りを他者にぶつけない工夫

暴れたいほどのストレスに苛まれると、感情の抑制が難しいこともありますよね。イライラを周りにぶつけないための工夫を取り入れ、対人トラブルを避けましょう。ストレスケアでは、他者とのコミュニケーションが重要です。しかしトラブルを回避するためには、あえて人との交流を控え、1人でできる発散方法を試すのも手段の一つです。

やってはいけない発散方法とは?間違ったストレス解消のリスク

出典:photoAC

ここでは、間違ったストレス解消方法によるリスクをご紹介します。ストレスを抱えていると、自分の健康や将来をないがしろにしてしまうことも。ときには周囲を傷つけ、信用や信頼を失ってしまうこともあるでしょう。ストレスが溜まっているときこそ、やってはいけない発散方法を学ぶことが大切です。

過度な飲酒や暴飲暴食

どれほどストレスが溜まっても、過度な飲酒や暴飲暴食は避けるべきです。ストレスケアの方法として、たしなむ程度の飲酒やおいしい料理は、心や体をリラックスさせる方法の一つ。しかし何事も程度を間違えると、さらなるストレスの原因となり得ます。

二日酔い・大きな出費・体重増加・胃痛や胃もたれ・栄養の偏りによる体調不良……。ストレスを発散するつもりが余計にストレスを溜めてしまっては、本末転倒ですよね。一時的な快感が逆効果になるリスクを把握し、摂取量や食事量を冷静に調整しましょう。

SNSやネット上での過激な発言

ストレスが溜まると、ついSNSやネット上で愚痴を書きたくなることも。もちろん、適度に気持ちを発することはストレス発散方法といえます。しかし程度を越えた過激な発言や、他者への誹謗中傷などは、トラブルのリスクにつながります。

とくに特定個人の名前を挙げる発言や、身体や資産に危害を加える旨の発言などは、名誉棄損や侮辱、脅迫に該当してしまうケースがあるでしょう。どうしても我慢ができないときでも、せめてオフライン環境や個人間のやり取りのみで済ませるのが吉です。

ギャンブルや衝動買い

ギャンブルや衝動買いも、間違ったストレス発散方法の一つです。ストレスが溜まっている状態は、冷静に判断しにくくなっています。一時の欲求のみで散財してしまうと、金銭的なダメージだけではなく、心理的なダメージも負ってしまいます。

「どうしてこんなことにお金を使ってしまったんだろう」「なぜ自分をコントロールできなかったんだろう」「悔やんでもお金は返ってこない……」と落ち込んだ結果、さらなるストレスの原因に。イライラしているときは、普段以上に財布の紐を固くするように心がけてください。

ストレスからの立ち直りが早くなるポイント

出典:photoAC

ここでは、ストレスから早く立ち直るためのポイントをご紹介します。生きている限りつねにストレスは付きまとうからこそ、ストレスをやり過ごすための考え方を持ちましょう。ストレスからすぐに立ち直れるようになれば、より充実した毎日を過ごせます。

ストレスの原因と向き合う

ストレスから早く立ち直るためには、ストレスの本質的な原因と向き合うことが求められます。たとえば職場の人間関係をストレスに感じている場合、相手ではなく自分の思考タイプに問題の本質が隠れている場合もあるでしょう。

1.相手からの評価を気にしすぎてしまう(表面的な原因)
2.愛想よく振る舞ってしまうためストレスが溜まる(内面的な原因)
3.なぜ相手からの評価が気になるのか?(自分への疑問提起)
4.自分は「嫌われたくない」と思っている(自己への深い理解)
5.なぜ嫌われるのが怖いのか?(過去の出来事を踏まえた自己の深掘り)
6.コンプレックスや恐怖を払拭するためには何をすればいいか?(具体的な解決方法の思考)

上記の例のように、原因を知るためには段階的な考え方が大切です。自分の思考や状況を分析し、より効果的な解決方法を考えていきましょう。

サポート体制を利用する

ストレスから早く立ち直るためには、専門家や支援機関などのサポート体制を利用するのも効率的です。心療内科や精神科への抵抗がある人は、オンライン上のカウンセリングから始めるのもよいでしょう。

厚生労働省でも、『こころの健康相談統一ダイヤル』や『よりそいホットライン』など、ストレスや不安などに応えるための相談窓口を展開しています。カウンセリングによってはテキストメッセージで話を聞いてもらえるサービスもあるため、自分に合う施設や機関を探してみましょう。

参考:厚生労働省 まもろうよ こころ「電話相談窓口」

小さな成功体験で自信を育む

ストレスの原因として、自己肯定感や自信の不足が関連している場合があります。生活や仕事において小さな成功体験を繰り返すことで、自己肯定感や自信が育まれ、ストレスが緩和される可能性もあるでしょう。

高い目標を持つのは素敵なことです。しかし心の安定のためには、現在地から最終的な目標までのプロセスをイメージすることも大切です。具体的な目標設定を大小で揃え、達成感や充実感の積み重ねがもたらすポジティブな経験を尊重しましょう。

ストレス解消法を身につけて、心身を健やかに保とう

出典:photoAC

今回は、ストレスの解消法や、ストレスが溜まっているときに避けるべき行動などをご紹介しました。ストレスを感じる原因が人それぞれであるように、自分に適した解消法も千差万別です。ご紹介した方法が合わないからといって、決して落ち込む必要はありません。

大人数で賑やかに過ごすことで心が癒される人もいれば、1人で静かに過ごすことでリラックスできる人もいるでしょう。効果的なストレス発散のためには、表面的な方法を試すだけではなく、自己理解を深めることが大切です。

ストレスの原因や自分の性質と向き合ったうえで、心が楽になる方法をゆっくりと探していきましょう。

[ライター]山口 愛未

2017年にWebライターとして活動を開始し、数多くのメディアでライターとして活動。年間1,000本以上記事を制作する専門ライター。子ども教育やメンタルヘルス関連のメディアでの活動実績が多い。

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