心療内科とは|精神科との違いや心療内科を訪れる人に多い症状や治療法を解説

デコボコベース株式会社 最高品質責任者(CQO)
東京大学大学院 教育学研究科
博士課程 単位取得満期退学
通信制高校教諭、障害児の学習支援教室での教材作成・個別指導 講師を経て、現在は療育プログラムの開発、保護者や支援者向けの研修を実施
▼この記事の3つのポイント
- 心療内科は、ストレスなど心の問題が原因で起こる体の不調を診る専門の診療科です
- 「眠れない」「胃が痛い」「原因不明の不調が続く」などの症状がある場合、心療内科の受診が効果的な場合があります
- 費用は保険適用で自己負担を抑えられ、さらに自立支援医療制度を使えば1割負担にできることもあります
心療内科ってどんなところ…?診察してほしいけど怖い…
心療内科は、心のストレスが原因で起こる体の不調を診てくれる専門の診療科です。気分の落ち込みや不眠をはじめ、胃の不快感や原因がわからない体調不良など、さまざまな症状が対象です。
心や体に不調があっても、心療内科を受診するのが怖かったり抵抗があったりして、ひとりで抱え込んでいるケースも少なくありません。
しかし、心や体の不調をそのままにしておくと更なる体調不良を引き起こす原因につながります。本記事では、心療内科について解説するので詳しくみていきましょう。
心療内科とは?まず知っておきたい基本情報
心療内科とは、ストレスや不安など心の問題が原因で現れる体の不調を診る診療科です。心の問題から引き起こされる胃の不調や頭痛など、体のトラブルも総合的に診てくれるのが特徴です。
心療内科はどんなことを診てくれる?
心療内科では、ストレスや心の負担が原因で現れる次のような症状を診察します。
- 頭痛
- 腹痛
- 動悸
- 不眠
- 息苦しさ
このような症状の中には、内科で検査しても異常が見つからず原因がわからないまま体調不良が続くケースもあります。
心の不調が体に現れている可能性もあり、身体面と精神面の両方を診ていくのが心療内科の特徴です。心と体の両面からアプローチし、薬を使ったりカウンセリングしたりしながら症状の改善を目指します。
「心の病気」とは限らない!心療内科が対応する不調
心療内科の主な専門は、ストレスや心の負担が原因で体に現れる「心身症」と呼ばれる不調です。
たとえば、円形脱毛症、慢性的な胃炎、緊張による頭痛、過敏性腸症候群(下痢や便秘を繰り返す)など、心の問題がきっかけとなって体に症状が出る病気に対応します。
また、うつ病や不安障害といった「心の病気」そのものも診察範囲に含まれる場合がありますが、心療内科の大きな特徴は、一般の内科で異常が見つからなかった「原因不明の体の不調」を心と体の両面から診る点にあります。
心療内科では、心と体を総合的に診て、原因にアプローチしながら改善を目指します。
初めてでも大丈夫?心療内科の受診の流れ
心療内科は初めてでも大丈夫です。心と体の問題を専門に診る医師やカウンセラーが、初めて受診する人の緊張や不安を理解し、対応してくれます。
心療内科は予約が必要な場合が多いため、電話やネットで予約を取りましょう。受診したら、問診票に症状や生活の状況を記載します。
医師は、現在の生活や症状について話を聞きながら診察をすすめていきます。うまく伝えられるか不安な場合は、事前にメモを準備しておくのがおすすめです。
症状によっては、血液検査や心電図などの検査が必要な場合もあります。診察を通して薬による治療やカウンセリングなどの治療方針が決まります。
精神科との違いは?自分に合った診療科を見つけるポイント
精神科は「心の病気そのもの」を診るのに対し、心療内科は「心の問題の影響で体に出る不調」を診る診療科です。それぞれの違いや迷ったときにどうすればいいかを詳しく解説するのでみてみましょう。
心療内科と精神科はどう違う?
心療内科は、ストレスや心の問題が原因で起こる頭痛・胃痛・腹痛・動悸など体の不調を扱う診療科です。
体に不調があるものの、内科的な検査では異常が見つからないケースにも対応します。その一方で、精神科はうつ病・パニック障害・統合失調症など心の病気そのものを専門に診ます。
心の症状が中心で日常生活に支障が出ている場合、精神科の方が適しているかもしれません。どちらも心と体に関係する診療科ですが、症状の種類によって異なります。
迷ったときはどっちに行くべき?
「体調が悪いけど原因がわからない」「ストレスで体にも影響が出ている」といった場合には、心療内科の受診がおすすめです。
「不安や幻覚がある」「人と関わりにくい」など心の症状が強い場合は、精神科の受診を考えてみましょう。
ただし、症状がわかりにくく判断が難しい場合や近くに病院が少ない場合は、直接クリニックに問い合わせてみるのもおすすめです。病院のスタッフが症状を確認し対応できるかどうか判断します。
心療内科に行くべき症状とは?よくある相談例を紹介
心療内科は、ストレスや心の不調が原因で体に現れる症状に対し、原因にアプローチして症状の改善を目指す診療科です。
ここでは実際に、心療内科に関するよくある相談例を紹介します。それぞれご覧ください。
原因不明の腹痛が続く会社員
数カ月前から仕事中に腹痛が頻繁に起こるようになった会社員。内科で内視鏡検査や血液検査を受けたものの、異常は見つかりませんでした。腹痛は続き、症状が軽くなることはないため、心療内科を受診したのです。
心療内科では過敏性腸症候群と診断され、薬の処方とカウンセリングで治療しています。思い返してみると、半年前から仕事で責任ある立場となり、知らないうちにプレッシャーや緊張を感じていたことがストレスとなって、体に症状が出ていたことがわかりました。
不眠と動悸に悩む主婦
子育てと家事に追われる日々で、寝つきが悪くなりました。寝てもすぐ目が覚めてしまうため、日中も疲れがとれません。心臓がドキドキすることが多くなり、心電図や血液検査を受けるも異常は見つからなかったのです。
心療内科では、薬の処方とともにカウンセリングを受けました。自分の時間や休息できる時間を意識的に持つことで、寝つきもよくなり、動悸も解消されました。
胃の不快感が続く女性
食事のあとに胃がムカムカしたり、食欲が出なかったりするといった胃の不快感が続き、仕事に集中できなくなりました。
内視鏡検査や血液検査の結果は異常がなく、原因不明の胃の不快感が続いたため心療内科を受診したのです。自覚はなかったものの、新しい職場の人間関係が強いストレスとなっていることが判明し、薬とストレスのケア方法を見つめ直しました。
意識的にストレス解消することで、胃の不快感が消失したのです。
心療内科は“行ってはいけない”?よくある誤解
心療内科は「心が弱い人がいくところ」という誤解があり、受診をためらう人がいます。しかし、決して心が弱いのではなく、ストレスが原因で起こる体の不調を診てもらう診療科です。
我慢していると症状がどんどん悪くなるおそれがあるため、早めの受診が大切です。症状が軽いうちに専門家に相談することで、回復が早まる可能性もあります。
決して行くのが恥ずかしいところではありません。ためらわずに受診してみましょう。
心療内科は高い?費用やサポートはある?
「心療内科は高いの?」と不安に思う方もいらっしゃるでしょう。一般的に、心療内科の診察では健康保険が適応されます。
ただし診察内容や検査の種類により自費になる部分もあるかもしれません。費用について詳しく解説していきます。
心療内科の費用はどのくらい?保険は使える?
一般的に、心療内科の診察は健康保険が適応されるため、自己負担額は3割程度です。初診時の費用は、診察料や検査内容により異なりますが、自己負担が2000〜5000円程度が目安です。
再診時には、1000〜3000円前後になることが多いようですが、病院によって異なります。
保険適応外のカウンセリングや検査、診察内容もあるため注意が必要です。医師の判断で、心理検査や血液検査が追加された場合、費用が追加されることがあります。
処方薬があるときは、薬代が別途かかります。診察内容や費用は医療機関によって違うため、事前に問い合わせてみましょう。
自立支援医療制度で自己負担を抑える方法も
長期的な通院が必要な際に、医療費の自己負担を少なくする「自立支援医療制度」があります。この制度を使うと、自己負担が通常1割になり、所得によって月の上限額が決まります。
自己負担が減ると、安心して通院・治療できるでしょう。申請の手続きや詳細については、お住まいの市区町村の窓口に問い合わせてみてください。
心と体の不調に気づいたら、ためらわず相談を
「眠れない」「胃が痛い」「腹痛を繰り返す」など原因不明の体調不良は、心が疲れているサインかもしれません。
無理をせず、心療内科を受診して専門家に相談してみることが原因や対処法を見つけるためには大切です。何か気になることがあれば、いつでもお気軽に当社までご相談ください。
看護師・保健師資格保有。大学卒業後、大学病院集中治療室で7年勤務し、新生児から老年期まで幅広い患者の急性期ケアを経験。保健師として活動し、看護大学非常勤講師も務める。その後、高齢者施設や看護小規模多機能施設に従事し、老年期医療に携わる。急性期から慢性期まで、幅広い年齢層の患者ケアに携わる。現在は臨床経験を活かし、認知症や介護に関する記事、クリニックのコラムなど医療情報の執筆活動も行っている。


