作成日:
2025年4月16日
更新日:
2025年7月22日

診断書の費用や病院でのもらい方!そもそも診断書とは何に使うの?

[監修者]北川 庄治

デコボコベース株式会社 最高品質責任者(CQO)

東京大学大学院 教育学研究科
博士課程 単位取得満期退学

通信制高校教諭、障害児の学習支援教室での教材作成・個別指導 講師を経て、現在は療育プログラムの開発、保護者や支援者向けの研修を実施

▼この記事の3つのポイント

  • 診断書は、休職や支援制度の申請などに使われる大切な書類で、医師に頼むことで発行してもらえます
  • 発行には診察・手数料が必要で、即日対応が難しいこともあるため、早めに準備しておくのが安心です
  • 病院や制度ごとにルールが異なるため、目的をはっきりさせてから依頼することでスムーズに進みます

診断書が必要。どこで、どうやって貰えばいいの…?

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休職・支援サービス・業務調整など、診断書が必要なシーンは意外にも多く存在しています。しかし今まで大きなトラブルなく生活してきた人にとっては、診断書を入手するために何をすればいいのかわからないものですよね。

今回は、診断書が求められるシーンや、発行に必要な期間・費用などをご紹介します。診断書を手に入れるための具体的な方法も解説していきますので、ぜひお役立てください。スムーズに診断書を入手できれば、事務手続きも円滑に進められるでしょう。

そもそも、診断書とは?

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診断書とは、医療機関で入手できる書類の一つです。患者を診察した医師が、当人の病名や症状を記載します。おもに病気や疾患を証明するための書類として役立ち、企業の休暇制度を利用する際や、支援サービスの手続きをする際に必要になります。

また診断書は、裁判の証拠書類や保険金の請求など、社会的に重大なシーンでも大きな意味を持つ書類です。診断書は「診察や治療をおこなった医師」が作成するため、作成者は必ずしも主治医である必要はありません。自ら診察をしていない医師が診断書を発行した場合は、医師法違反によって罪に問われます。

また診断書は患者からの請求がなければ、原則として作成されません。つまり診断書を入手するためには、患者からの明確な要請が求められます。医師は患者から診断書を求められた場合、基本的には拒否できません。

参考:日本医事新報社 Web医事新報「診断書と犯罪[先生、ご存知ですか(7)」

診断書が必要な場面は?

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ここでは、実際に診断書が必要になる場面をご紹介します。診断書は裁判での資料としても活躍できるほど、社会的に認められた公的書類です。診断書が必要なシーンとは、病気や心身の状態を明確に証明すべきシーンといえます。場面ごとのシチュエーションを知り、診断書がどのように効力を発揮するのかを学んでみましょう。

精神疾患や病気で休職する際

診断書は、精神疾患や病気などが理由で休職する際に必要なケースが多いです。

基本的に、休職にともなう診断書の提出は法的義務ではありません。しかし企業にとっては、当人が「業務が可能か否か」を判断するための重要な書類として機能します。労働基準法では診断書の提出が義務ではなくても、企業の就業規則によっては提出を定めているケースもあり、この場合は提出が必須となることも。

企業に提出された診断書は上司や人事担当者に渡り、相談のうえで具体的な休職の内容が決定されます。

病気・障害などの影響で業務内容を調整する際

精神疾患や病気を患っているものの、業務内容を調整すれば休職をせずに働ける場合も、診断書の提出が必要になるケースが多いでしょう。たとえば「障害によって大勢の人に囲まれるのが苦しくなったので、通勤ラッシュを避けた時間帯に出勤したい」「対面接客によって症状が悪化する可能性があるため、事務的な業務に変えてほしい」などが挙げられます。

自身の訴えのみでは症状を適切に伝えにくい際に、客観的に証明する資料として診断書を提出すれば、スムーズに合理的配慮が受けられます。「デスクの場所を移動させてほしい」のような小さな要請でも、診断書の存在は役立つでしょう。

福祉制度や支援サービスを利用する際

福祉制度や支援サービスを利用する際も、診断書が必要です。ただし診断書の書式は、申請する制度・サービスによって異なります。そのため診断書を貰う前には、自身がどのような制度・サービスを利用するのかを明確にしたうえで、医師に具体的に伝えます。

診断書が必要な制度・サービスでは、傷病手当・自立支援医療・障害年金・労災保険・療養費などが代表的です。また出産育児一時金や出産手当金など、育児に関わる制度の利用でも診断書が求められるシーンがあります。

診断書をもらうにはどうすれば良い?

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ここでは、診断書を実際に入手するための方法をご紹介します。診断書が必要なシーンでは、体や心の状態がつらい方も多いでしょう。何をするべきかを明確にリストアップしておけば、行動に必要な心理的ハードルも下がります。

1. 医療機関で診察を受ける

診断書を取得するためには、原則として医療機関での診察が必要です。診断書は診察をおこなった医師が書く必要があるため、カウンセリング施設のみでは発行してもらえません。症状に対して適切な医療機関を選び、一般的な外来と同じように診察を受け、医師に診断書の発行を申し出ましょう。

また病気や疾患の種類・状態によっては、対面での医療機関の受診が難しい場合もありますよね。医療のデジタル化が広まりつつある昨今では、オンライン診察でも診断書の受け取りができます。対応している医療機関では診断書発行の有無が記載されていますので調べてみましょう。

2. 診断書の発行を依頼する

診断書の発行の依頼では、診断書が必要な理由を明確に伝えます。たとえば「会社を休職したい」「医療保険を申請したい」などが挙げられます。具体的な休職期間が定まっていない場合でも、診断書の発行は可能です。

また診断書の目的によっては、医師が必要と判断した業務配慮の内容や、休職期間も記載されます。診断書の形式は医療機関ごとに定められており、多くの場合は数行程度で記載することが一般的です。また診断書の発行では、医師に記載してほしいこと・欲しくないことについて希望を伝えられます。ただし最終的には医師の判断に基づく点に留意しましょう。

3. 費用と発行期間を確認する

診断書の申請をしたら、発行に必要な期間と費用を確認してください。診断書は基本的に、要請してすぐに入手できるわけではありません。とくに診断書を提出・利用したい時期がすでに決まっている場合は、タイミングを考慮した相談が必要です。

診断書を即日発行してくれる医療機関も存在していますが、数はそう多くはありません。また診断書の作成費用は、記載項目や料金によって上下します。診断書の作成は自費扱いになり医療保険の対象ではないため、後々の誤解がないようにしっかり確認してくださいね。

4. 診断書を受け取る

診断書が適切に発行されたら、医師に伝えられた期日に受け取ります。診断書の受け取りは対面が一般的ですが、郵送対応が可能な場合もあるため確認しておきましょう(基本的には別途郵送費用が必要)。

受け取りの際は、本人確認書類が必要になります。運転免許証やマイナンバーカード、健康保険証などを準備しておきましょう。本人以外が受け取る場合は、委任状や受取人の本人確認書類、申込書の控えなどが求められます。必要書類がない場合は診断書を受け取れない可能性もあるため、医療機関ごとの規定の確認が大切です。

診断書にかかる期間と費用は?

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ここでは、診断書の発行に必要な期間や費用についてご紹介します。診断書を必要とする多くのシーンでは、「1日でも早く欲しい」と思うもの。またどの程度の費用が発生するかわからず、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。必要な期間と費用を知り、スケジューリングに役立てていきましょう。

診断書にかかる費用

診断書の発行に必要な費用は、全国一律で定められているわけではありません。病院や地域によって異なるため、事前に必要費用を確認しておきましょう。同じ医療機関でも記載内容によって費用は変わりますが、一般的には1,000〜10,000円程度とされています。

比較的簡単な診断書であれば約2,500円程度、複雑な診断書の場合は約4,000円程度が相場です。なかでも自院様式のシンプルな診断書では、費用が安くなる傾向にあります。また診断書の費用は健康保険が適用されないだけではなく、医療費控除の対象にならないことも覚えておきましょう。

診断書受け取りまでにかかる期間

診断書受け取りまでにかかる期間も、医療機関によって差があります。早い病院であれば、当日中に診断書を発行してもらえるケースもあります。しかし一般的には、診断書の要請から1~2週間程度は必要と認識しておきましょう。

もし診断書がすぐに必要な場合は、即日発行可能な病院を調べて診察を受けることをおすすめします。初診であっても緊急性を伝えることで診断書の発行が可能になるケースが多いです。また診断書の有効期限は、一般的に発行から3カ月です。「早く受け取りすぎて必要なシーンで効力を発揮できない」という事態にならないように注意しましょう。

診断書の費用で理解しておくべきポイント

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ここでは、診断書の費用面で理解しておくべきポイントをご紹介します。前項でも、診断書は健康保険が適用されないことと、医療費控除の対象にはならないことを解説しました。以下では2点を詳しく掘り下げていきますので、診断書の費用の理解を深めるためにご活用ください。

診断書発行は健康保険の適用にならない

診断書の発行は、健康保険の適用外となっています。なぜなら診断書の作成や発行は、診察や治療に直接の関係がないからです。そもそも健康保険の目的は、病気やけがなどの治療に発生する費用の負担を軽くすることです。

また治療のために必要な休職制度においても、診断書の提出は法的に必須ではありません。つまり診断書は「療養とは関係ないサービス」としての位置づけになるため、全額自己負担になるのです。

診断書費用は医療費控除の対象にはならない

診断書の発行費用は、医療控除の対象にはなりません。医療費控除の本質的な目的は、高額な医療費の支払いが必要な納税者に対してサポートし、生活のサポートをおこなうことにあります。ポイントとなる点は「診断書は医療費に含まれるかどうか」です。

診断書の作成に必要な診療・治療費は、医療費に含まれます。しかし作成自体に発生する費用は「文書料」に含まれます。つまり診断書の費用は、診察・治療内容を記載した文書の発行に必要な手数料となります。医療費には含まれないため、医療費控除には使えないのです。

参考:城里町役場 税務課「医療費控除 Q&A」

診断書の内容によって値段が違う

上記2点以外にも注意したいポイントとして、診断書の内容によって作成料が変わることが挙げられます。内容が複雑な診断書ほど、価格も高くなる傾向にあります。

診断書で高額になりやすい代表的な事例が、障害年金の申請です。障害の概要によっては、診断書を1枚発行してもらうだけで1万円程度の金額が必要な場合もあります。病院によってはホームページに診断書料金について記載しているケースもありますので、事前に確認してみましょう。

診断書に記載されている内容とは

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診断書には、患者の個人情報や、病気・疾患の概要などが記載されています。以下に挙げる項目が、診断書に記載されるおもな内容です。

  • 患者の氏名、住所
  • 患者の病名
  • 患者が病気・疾患を発症した日
  • 患者が診断書を発行する医療機関を受診した日
  • 医療機関が患者におこなった治療内容
  • 患者が抱える病気・疾患の見込み期間
  • 患者の症状の経過
  • 医療機関がおこなった検査の結果

また診断慮に基づいた休職・業務調整を希望する際は、以下の項目も追記される傾向にあります。

  • 医師の判断による休職期間の指示
  • 職場環境の調整の指示

診断書の記載では、患者の希望を伝えることも可能です。また必要に応じて、項目が増加する場合もあります。ただし最終的には医師の判断に基づいて記載されるため、内容を完全に指示することはできません。

診断書の例文

住所:〇〇〇
氏名:〇〇〇
生年月日:〇〇〇

上記の者は、下記のとおり、〇〇〇な状況であると認められます。



傷病名:〇〇〇
期間:〇〇〇な状況が〇カ月継続する見込みである。

以上

令和〇年〇月〇日
医療機関の名称:〇〇〇

診断書を発行して会社を休職する際に知っておきたいこと

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ここでは、診断書を発行して会社を休職する際に知っておきたいポイントをご紹介します。休職や診断書の提出における規定は、企業によって異なります。後々のトラブルを回避するためにも、診断書に関連する情報をあらかじめリサーチしておきましょう。

自社の休職制度の詳細を確認する

診断書を使って休職制度を利用する際は、自社の社内規定やガイドラインの詳細を確認することが大切です。従業員が休職できる期限の上限は法的に定められておらず、原則として企業の就業規定に記載されています。

たとえば就業年数によって休職期間に違いを設けている企業もあれば、勤続年数が一定以下の場合は休職ができない企業も。場合によっては、そもそも休職制度を採用していない企業も存在しています。

傷病手当金を受け取れるケースもある

診断書を用いた休職制度の活用では、傷病手当金を受け取れるケースがあることを覚えておきましょう。傷病手当金とは、休職中に被保険者や家族の生活を保証するために設けられた制度です。休職が理由で十分な報酬が受けられない場合に支給されます。

傷病手当金の申請では診断書は必須ではありませんが、企業が従業員の休職の必要性を把握するための資料として、診断書が求められることがほとんどです。傷病手当金について詳しい情報は、下記の全国健康保険協会の公式サイトをご確認ください。

参考:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」

無理をせず身体をしっかり休めることが大切

将来的な社会復帰を目指すためにも、休職中は無理をせず心身を休めることが求められます。休職中に最もやるべきことは、療養です。症状が安定するまでは十分な療養をおこない、現状分析をしつつ回復期に移行していきましょう。

また人によっては、休職中にネガティブな気持ちに苛まれてしまうことも。自暴自棄になって重大な判断をしてしまう前に、周囲の人たちや医療機関のサポートを借りることも大切です。

診断書に関するQ&A!

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ここでは、診断書に関するよくある質問をご紹介します。とくに診断書を初めて発行してもらう場合や、診断書の記載内容に不安を感じている場合は、ぜひ参考にしてくださいね。

診断書の内容は希望できる?

診断書の目的や必要な内容を伝えることで、ある程度患者の希望通りに記載してもらうことは可能です。当然ながら、事実と異なる内容は記載できません。また仮病による診断書の要請は「診断書の偽装」とされ、犯罪行為に含まれます。

参考:ベリーベスト法律事務所 北千住オフィス「診断書を偽造したら逮捕される? 違法性と逮捕後の流れを解説」

診断書がもらえないケースはある?

診断書が必要な場合でも、断られてしまうケースが存在しています。診断書が受け取れない場合に考えられる代表的な事例は、以下の通りです。

  • 診断した際に症状が見られず、診断内容を確定できない
  • 診断を確定させるために期間を要する
  • 患者が自己判断により通院をやめた
  • 病気や疾患が専門外のため診断ができない
  • 診断書が犯罪に使われる恐れがある
  • 診断書作成時に事実と反する内容を記載するように求められた
  • 患者に病状を伝えることで治療に大きな支障が生じる可能性がある など

とくに精神的な疾患は経過観察が必要になるため、診断書の発行に時間がかかってしまう可能性に留意しましょう。

診断書に期限はある?

診断書自体に有効期限はありませんが、一般的な企業や支援サービスの利用では「発行から3カ月」を期限としています。ただし企業によっては4カ月以内、半年以内など独自のルールを設けている場合もありますので、就業規則を確認しましょう。行政のサービスによっては、1カ月以内と短く設定されているケースもあります。

参考:
あしたのクリニック「診断書の費用はどのくらい?診断書のもらい方やよくある疑問も解説」
目黒区「新規申請書に添付の診断書の有効期限は?」

診断書は本人でないと受け取れない?

診断書は、本人以外でも受け取りが可能です。ただし本人以外の場合は、委任状と代理人の身分証明書が必要になります。委任状は医療機関ごとに形式が異なるため、公式ホームページからダウンロード・印刷をする形で記載しましょう。持参する身分証明書やその他資料についても、診断書を要請する医療機関ごとの情報をご確認ください。

スムーズに診断書を受け取って、手続きを進めよう

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今回は、診断書の意味や目的、発行に必要な費用や期間などをご紹介しました。体や心が疲れているときは、医療機関を受診するのも億劫になってしまうときがありますよね。また診断書が手元に届くまでの期間の長さが、心身に負担を感じる原因になることもあるでしょう。

診断書の発行は「対面が基本、即日発行は難しい」が一般的ですが、病院によってはオンライン診療や即日発行に対応しているケースもあります。自分の病気や症状、診断書が必要な時期に合わせて、条件に合った病院を探してみましょう。

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[ライター]山口 愛未

2017年にWebライターとして活動を開始し、数多くのメディアでライターとして活動。年間1,000本以上記事を制作する専門ライター。子ども教育やメンタルヘルス関連のメディアでの活動実績が多い。

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