作成日:
2025年4月22日
更新日:
2025年8月14日

休職とは|メリット・デメリットや休職中の給与や制度詳細を解説

[監修者]北川 庄治

デコボコベース株式会社 最高品質責任者(CQO)

東京大学大学院 教育学研究科
博士課程 単位取得満期退学

通信制高校教諭、障害児の学習支援教室での教材作成・個別指導 講師を経て、現在は療育プログラムの開発、保護者や支援者向けの研修を実施

▼この記事の3つのポイント

  • 休職とは「仕事をお休みしながらも雇用は継続される制度」で、治療や療養に専念するための大切な時間です
  • 給与や社会保険、税金の扱いは会社の制度によって異なりますが、傷病手当金などの支援制度も活用できます
  • 「休むかどうか迷っている」段階でも、まずは制度を知ることが、納得のいく選択につながります

休職をしたいけど、不安がいっぱい……

出典:photoAC

休職を考えていても「仕事に戻れるかな」「周りの目が気になる」「収入はどうしよう」とさまざまな心配が頭をよぎるでしょう。休職とは、ご自身のこころやからだの回復に必要な時間です。自分らしく働き続けるために焦らず、自分のペースで向き合うことが大切です。

本記事では、休職に関する不安を解決できるように、休職に関することやメリット・デメリットを解説します。休職をお考えの方のお役に立てれば幸いです。

休職とは?

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休職とは、従業員が仕事を続けることが難しいときに、会社が一時的に仕事を休ませる制度です。雇用契約は継続されますが、業務は行いません。

次のような理由で、一定期間仕事が免除されます。

  • 病気やけが
  • 精神的な健康問題
  • 育児/介護
  • 急を要する業務(裁判所からの呼び出しや災害時の要請など)
  • 自己のスキルを高めるため など

休職中も従業員としての立場は守られており、一般的に体調が回復すれば仕事に戻ることができます。

欠勤や休業とどう違う?

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休職は、雇用関係が維持される点で、欠勤や休業とは異なります。欠勤や休業では、雇用関係が維持されるとは限りません。ここでは欠勤や休業との細かい違いを解説しますので、次をご覧ください。

欠勤との違い

欠勤とは、短い期間仕事を休むことです。風邪や家庭の事情など理由を事前に伝える場合もありますが、予定や連絡なしに休むことも含まれます。多くの会社の場合、欠勤が続くと次のようなペナルティを生じることがあります。

  • 給料が下がる
  • 注意や警告を受ける
  • 評価が下がる
  • 解雇の可能性がある など

欠勤に対し休職とは、休みの期間に治療に専念したり、問題解決をしたりするための制度です。

休業との違い

休業とは、会社の都合で業務を停止することです。経済的理由や災害などが原因としてあげられます。

会社の都合によるため、雇用契約は維持されるものの、会社が倒産した場合は、雇用契約が解消されます。

営業停止の期間は、企業側の状況によって決まりますが、休業中は給料が出ないことが一般的です。休業中の福利厚生や社会保険についても企業によって対応が異なるため、確認が必要です。

休職制度は会社によって異なる

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休職制度は会社によって異なります。具体的にどのような違いがあるのかみてみましょう。

休職制度の異なる点具体例
休職の期間数ヶ月〜1年
復職の条件健康診断や面談が必要 / 条件なしで復職可能
給与の支給全額支給 / 部分支給 / 支給なし
福利厚生や社会保険休職中も支払う / 支払いが停止される
復職後の処遇役職や給与に変更あり/ 変更なし

このように会社によって休職制度が異なるため、休職をお考えの場合には一度、関係部署に相談することをおすすめします。休職のあとの処遇は仕事を続けるためのモチベーションにかかわる可能性があるため、確認してみてください。

参考:独立行政法人 研修機構「休職制度」

休職中の給与や税金はどうなる?

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休職中の給与や税金各種の支払いは、どうなるのかを以下の項目ごとに解説します。

  • 給与について
  • 賞与について
  • 社会保険料について
  • 税金について

給与について

休職中の給与は、原因や会社の規定によって異なります。例えば、病気で休職する場合をみてみましょう。

病気で休職する場合は、労働基準法に基づき、

  • 最初の3日間は無給
  • 4日目から1年6ヶ月は健康保険から傷病手当金として給料の約2/3が支給

となります。しかし、会社によって独自の休職規定があり、一定期間は通常の給与が支払われることがあります。

育児・介護休暇による休職の場合は、雇用保険より給付金が支給されるため、詳しくは会社に確認してみてください。

賞与について

休職中の賞与については、一般的に支給されません。ただし、企業の規定により対応が異なる場合があります。具体例をみてみましょう。

  • 病気休職の場合、賞与が一部支給される
  • 休職期間を在職期間とカウントし、復職後の給与に反映する
  • 休職期間によって、減額支給する など

会社の就業規則や労働契約により、休職中の賞与の条件は変わります。休職前に、賞与の取り扱いについて確認しましょう。

社会保険料について

休職中も、原則として社会保険料の支払い義務は継続します。詳しくみてみましょう。

休職の種類社会保険料の種類詳細
病気休業原則支払いを継続傷病手当金から差し引かれることがある
育児休業申請により免除休業開始から、終了予定月まで対象になる
介護休業一部免除申請する必要あり
無給休職支払いは継続する必要あり会社負担分も本人が負担する

詳細や個別の状況については、会社の人事部門や社会保険労務士に確認することをおすすめします。

税金について

休職中の税金は、所得の有無により異なります。詳しくみてみましょう。

休職時の給料の有無具体例
給料所得がある場合所得税と住民税が課税される
無給で傷病手当を受けている場合所得税は非課税/住民税は課税対象になる
完全に無給の場合その期間の所得税はかからないが、住民税は前年の所得にもとづき課税されるため、通常支払いが必要になる

休職中の税金についての詳細は税務署や市区町村の税金に関する窓口に確認してみてください。

休職ができる状況は?

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休職ができる状況を2つにわけ解説します。

  • 傷病による休職
  • 傷病以外の休職

傷病による休職は、治療や回復のために一時的に業務を離れることです。傷病以外の休職は、育児や介護などの理由が含まれます。詳しくみてみましょう。

傷病による休職

傷病による休職とは、病気やけがなど健康上の理由で、業務の継続が難しくなったときに取得する制度です。心身の回復に専念するため、一定期間会社を離れることが認められます。

休職期間中は、健康保険の傷病手当金の給付が受けられる場合があります。給料の支払いは、会社の規定や契約内容によって異なるため注意が必要です。

休職期間の長さには制限があり、多くの会社が6ヶ月〜1年程度としてます。回復後に、医師の診断書に基づき、職場復帰の手続きが進められます。復職の際には、労働条件の変更や雇用内容が変更される場合があるため、会社の担当者に確認してみてください。

傷病以外の休職

復職以外の休職とは、健康上の理由以外で業務を一時的に離れる制度です。主な理由をみてみましょう。

  • 育児や介護
  • 家族の看護
  • 自己啓発(学業や資格習得のため)
  • 留学
  • ボランティア活動
  • 裁判への出席 など

会社の就業規則や労働契約に基づいて休職が認められますが、会社によって期間や条件は異なります。

休職中の給与は基本的には出ませんが「育児休業給付金」「介護休業給付金」などの手当が支給される場合もあります。復職時は、必要な手続きを経て業務に戻ります。復職後に部署や業務内容が変わることもあるため、休職前に会社の担当者へ確認してみてください。

休職するまでの具体的な流れ

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休職するまでの具体的な流れを以下の項目に沿って詳しく解説します。

  • 就業規則で休職制度の詳細や休職の申請方法を確認する
  • 医師の診断を受け、休職を申請する
  • 休職期間中はゆっくりと療養する

それぞれみてみましょう。

就業規則で制度の詳細や申請方法を確認する

休職が必要だと感じたら、就業規則の休職制度の詳細や休職の申請方法を確認しましょう。会社によって手続きや詳細が異なるからです。

具体的に何を確認する必要があるのかみてみましょう。

  • 休職が認められる理由
  • 休職の申請方法
  • 休職に必要な証明書の有無
  • 休職期間の上限
  • 休職中の給与や手当の取り扱い
  • 休職中の社会保険について
  • 復職の条件
  • 復職後の労働条件 など

これらのポイントを事前に確認することで、休職中の対応がスムーズになり、治療や療養に専念できます。

医師の診断を受け、休職を申請する

休職を申請するときは、医師に相談しましょう。健康状態や休職の必要性についての診断が必要だからです。

診断書を取得した後は、会社の就業規則に沿って、休職を申請しましょう。休職の手続きは会社によって異なるため、詳しくは人事部や上司に確認してみてください。一般的に復職のときに、医師の診断書が必要になります。休職期間中も、医師の指示に沿って受診は継続しましょう。

休職期間中はゆっくりと療養する

休職期間中はゆっくりと静養することが大切です。病気や怪我・ストレスなどから回復するには十分な休息が必要だからです。休職中も規則正しい生活や治療の継続を心がけましょう。医師の指示がある場合は、リハビリを受けることも大切です。

休職中に体調が落ち着いていたら、適度な運動やリラックスする時間を作り、ストレスの軽減に勤めることをおすすめします。ゆっくり自分の体調を見つめ、仕事のことは考えず静養に専念してください。

休職するメリット

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休職するメリットは、心身の回復や病気の治療に専念できることです。病気以外の理由においても、職場に籍を残しながら、時間を確保できるのはメリットです。メリットを3つにしぼり、解説します。ご覧ください。

療養に専念できる

休職するメリットは、療養に専念できることです。病気やけが・精神的な問題から回復するために、十分な休息や治療が必要です。

休職することで、仕事のプレッシャーやストレスから解放され、こころやからだの回復に集中しやすくなるからです。休職中に治療やリハビリに専念することで、回復が早まる可能性もあり、復職後の生活の向上につながります。休職中は無理せず、療養に専念できる環境を整えてあげてください。

自由な時間を得られる

休職するメリットとして、自由な時間を得られることがあげられます。休職すると通常の勤務から解放され、自分のペースで生活できるからです。その結果、健康やリフレッシュに目を向けることができます。

療養だけでなく、自分の知識を高めたり、趣味に時間を使ったりすることでこころの余裕につながるでしょう。家族との時間を大切にしたり、新たなスキルを身につけることで、復職後の仕事の充実感ややりがいを再確認するきっかけになる可能性があります。

場合によっては支援を受けることができる

休職するときに、場合によっては支援を受けることができます。例えば、病気やケガによる休職では傷病手当金が支給されるからです。育児休業や介護休業の場合も、それぞれの給付金が支給され経済的負担が軽減されます。

金銭的な不安の軽減により、心身の回復に集中しやすく、ゆっくり休む環境が整いやすくなるでしょう。支援内容や条件は状況により異なるため、事前に確認してみてください。

休職するデメリット

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休職する主なデメリットは収入を得られない、評価に影響する可能性があるなどです。主なデメリットを次の3つにしぼり、それぞれ説明します。

  • 休職中は収入を得られない
  • 社会保険料の支払いは発生する
  • 人事評価に影響する可能性がある

休職中は収入を得られない

休職中は、収入を得られないため、経済的負担が大きくなりデメリットと感じる可能性があります。給与が支給されない場合、生活費や日常の支出への不安が生じるからです。

手当が支給される場合もありますが、通常の給与の全額が支給されるわけではありません。そのため、休職中の生活費や出費の管理が必要となります。長期休職の場合には、貯蓄の確保や、支出の見直しを検討してみてください。

社会保険料の支払いは発生する

休職中も、社会保険料の支払いは発生します。収入が減少または、なくなっているにもかかわらず保険料は支払わなくてはいけません。

休職中は給与が支給されないため、一般的に保険料を自己負担で支払います。その結果、経済的負担が増す可能性があります。しかし、休職中の支払いが免除となるケースもあるため、詳しくは会社の社会保険料の担当窓口まで問い合わせください。

人事評価に影響する可能性がある

休職は、人事評価に影響する可能性があります。休職中は業務をしてないため、評価基準に対し、上司や同僚から会社への貢献度がわかりにくい可能性があるからです。

休職している間の成果や努力が評価に反映されず、昇進やキャリアアップが遅れることがあります。休職後の職場復帰で、同僚や上司とのコミュニケーションをとることで改善させる可能性があります。

無理のない範囲で、同僚や上司とのコミュニケーションをとることを意識してみてください。

休職中のお金が不安…受けられる支援は?

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休職中の金銭的不安に対し、以下のような支援があります。

  • 傷病手当金
  • 労災保険給付
  • 会社の制度に則った手当
  • 出産手当金
  • 育児休業給付金
  • 介護休業給付金

それぞれの支援を確認し、申請する必要があります。詳しく解説しますのでご覧ください。

傷病手当金

傷病手当金とは、健康保険の被保険者が、業務以外の病気やケガなどで働けない場合に支給される手当です。詳しくみてみましょう。

項目内容
対象者健康保険の被保険者
条件業務外の病気やケガで4日以上休業する場合
支給期間最長1年6ヶ月
支給額直近12ヶ月の平均標準報酬日額の2/3
申請方法医師の意見書を添えて健康保険組合等に申請

給与の一部が支払われている場合は、給与の額と給付金で調整されます。具体的な手続きは、加入している健康保険組合や協会けんぽに確認してみてください。

労災保険給付

労災保険給付とは、業務上や通勤途中で起こった以下のものに対しての保険給付です。

  • 仕事中の事故やけが
  • 仕事が原因のストレスによるこころの不調
  • 通勤途中の事故やけが
  • 仕事が原因の病気(騒音による難聴・化学物質による中毒・同じ体勢による腰痛など)
  • 仕事が原因での死亡 など

給付の種類をみてみましょう。

給付の種類概要
療養補償給付治療に必要な費用を全額支給
休業補償給付休業4日目から平均賃金の80%を支給
障害補償給付障害が残った場合に障害等級に応じて支給
遺族補償給付労働者が死亡した場合に遺族に支給
介護補償給付重度障害で常時介護が必要な場合に支給

詳しくは最寄りの労働基準監督署に確認してみてください。

参考:厚生労働省 北海道労働局「労災給付の種類」

会社の制度に則った手当 

休職中に、会社の制度に則った手当が支給される場合があります。以下をみてみましょう。

  • 特別休職手当:会社が定める特定の条件下で支給される休職手当
  • 育児補助手当:育児休業中に会社が支給する補助金や手当
  • 介護支援手当:介護休業中に家族介護のための補助金
  • 休職中の住宅手当支給:休職期間中も住宅手当が継続される制度
  • 傷病休職中の賞与支給:一定条件で賞与の一部を支給 など

会社によって大きく異なるため、会社の規約や福利厚生などをみてみましょう。

出産手当金

出産手当金とは、健康保険に加入している女性が、出産前後の休業期間に受け取れる手当です。詳しくみてみましょう。

項目内容
支給対象期間産予定日または出産日の42日前から出産後56日まで
支給額普給料の平均的な日額の3分の2
支給条件出産前後の休業期間中に給与の支払いがない場合
手続きに必要なもの医師の証明書、会社の申請書類

出産による収入減少を補い、産前・産後の休職中に安心して過ごせることを目的としてます。

参考:厚生労働省委託 働く女性の心とからだの応援サイト

育児休業給付金

育児休業給付金とは、育児休業を取得した人に対し、支給される給付金です。雇用保険に加入している人が対象で、子どもが1歳(特例2歳)になるまで支給されます。

育休開始から6ヶ月間は休業前の給料の67%、そのあとは50%が支給額です。申請は、勤務先を通して雇用保険に必要な書類を提出します。育児中の経済的負担を軽減し、安心して育児できることが目的です。

参考:厚生労働省「育児休業給付金」

介護休業給付金

介護休業給付金とは、家族を介護するために介護休業を取得した方に支給される給付金です。雇用保険に加入している方が対象になります。

要介護状態にある家族1人につき、通算93日まで休業を取得できます。介護休業は、連続でなく分割してとることも可能です。

支給額は、休業開始前の給料の67%です。申請は、勤務先を通して行います。介護が必要で休職する場合は、介護給付金の支給を受けることで経済的負担を軽減することができます。

休職ではなく、働き方を変えるのも1つの方法

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休職ではなく、働き方を変えるのも1つの方法です。

例えば、

  • 時短勤務
  • 在宅勤務
  • フレックスタイム制度 

などです。働き方の変更により、仕事と家庭や健康状態のバランスが取りやすくなる可能性があります。それに加え、仕事を継続できるため、キャリアの中断を避けたり、経済的な安定を保つことができます。

働き方を変えることができるかどうかは、会社によって異なるため注意が必要です。まずは、会社の制度を確認し、上司に相談してみましょう。

休職制度を活用して、ゆっくりと療養しよう

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休職制度を利用して、こころやからだの健康の回復に専念することは大切です。無理に働き続けると、症状が悪化する恐れがあります。休職中は、各種手当金などを活用し、経済的負担を軽減しながら静養しましょう。

回復が進んだら、医師と相談し、ご自身のペースで職場復帰の準備を進めてみてください。ゆっくりと静養に集中することが、健康的な復帰への第一歩です。気になることは、一人で悩まず会社の担当者や上司の方に相談してみましょう。

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ぜひ、一度ご利用ください。

[ライター]コニーリー 麻弥(看護師 / 保健師)

看護師・保健師資格保有。大学卒業後、大学病院集中治療室で7年勤務し、新生児から老年期まで幅広い患者の急性期ケアを経験。保健師として活動し、看護大学非常勤講師も務める。その後、高齢者施設や看護小規模多機能施設に従事し、老年期医療に携わる。急性期から慢性期まで、幅広い年齢層の患者ケアに携わる。現在は臨床経験を活かし、認知症や介護に関する記事、クリニックのコラムなど医療情報の執筆活動も行っている。

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